皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームトルコの三浦優美です。
今回はトルコの退職金事情についてお伝え致します。
日本で働いている場合、会社の就業規則にもよりますが
一般的には退職金を受け取ることをイメージするかと存じます。
しかし、実は日本では退職金に関する法律は定められていないことをご存知でしたでしょうか?
従って、日本では法律による退職金の支払い義務が厳密にはございません。
一方で、トルコでは法律により退職金の支払い義務が明記されております。
トルコの旧労働法第14条*により退職金の支払いが必要となるのは下記の場合となっております。
①自己都合退職を除く勤続年数1年以上での退職の場合
②法定の老齢年金や障碍者給付といった年金生活開始のための退職
③徴兵のための退職(男性のみ)
④婚姻後1年以内の退職(女性のみ)
⑤雇用者からの解雇(自己都合退職を除く)
⑥労働者の死亡(遺族に対する支払)
いずれの場合も退職金算出方法は、
[退職金算出方法:勤続年数×退職時のグロス給料30日分]でございます。
グロス給与には、旅費交通費、食事手当、現物支給のもの(定期的に支給されるもののみ)、
賞与、未消化の有給休暇が含まれます。
また、所得税の課税対象とならない退職金の上限金額が定められており、
2021年6月末までは7.638,96TLです。
それでは、上記①~⑥に当てはまらないものはどのような解雇の場合でしょうか?
自己都合退職の場合です。
自己都合退職の場合、退職金の支払い義務はございません。
ただし、昨今のCOVID-19の影響による解雇禁止令**を考慮致しますと
今後、労使双方の円満退職のためには
自己都合退職という形で解雇のケースが増えるかと存じます。
円満退職のために企業側が任意で自己都合退職者へ退職金相当額を支払うことは、
法律で禁止されているわけではございませんので
労使双方の同意の上、契約書にて締結・署名をすることで可能となります。
尚、上記の場合お支払いいただく退職金相当額には制限がございません。
*トルコの旧労働法:現行の労働法が施行された時に旧労働法は廃止されましたが、解雇時の退職金について明記されている旧労働法第14条は現在も効力を持っています。
**この条例が発令されている期間中、雇用主は労働法第4857号第25条の「Ⅱ道徳・誠実に反する行為」にて定められた正当解雇のみ可能となります。この理由以外で労働者を解雇することが禁止されています。但し、労働者から雇用契約を終了する(自己都合退職の場合)ための制限は特にございません。
今週は以上となります。
弊社ではトルコへの進出、トルコビジネスに関連した各種アドバイザリー等に加え、社内で人が育つ仕組みづくりを実現する為、社員研修や人事評価制度を通して企業様のご支援をさせていただいております。
上記以外にもご不明な点がございましたら、是非お気軽にお問い合わせいただければと存じます。
【参照サイト】
日本の退職金について(厚生労働省:モデル就業規則より)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000118951.pdf
トルコの退職金について
・Conditions of Severance Pay in Turkey – Turkish Labor Law
・Severance Pay Ceiling – 1st Term – Turkish Labor Law
・Legal Deductions and Stamp Tax on Mutual Rescission Payments – Turkish Labor Law
・How to Calculate Severance Pay? – Turkish Labor Law
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株式会社東京コンサルティングファーム
トルコ支社 三浦 優美
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