- 2019-8-20
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お世話になっております。
東京コンサルティングファーム、トルコ駐在員の高津幸城で御座います。
日頃ご愛顧頂いている皆様へ有益な情報をお届けしたいと考えております。
ご質問などございましたらお問い合わせ下さい。
<TOPICS>
- 就業規則
- 雇用契約の種類
- 転職時のトラブルと対策
- 傷病休暇取得時における社員の就労
今日、トルコ人従業員を雇用されている日系企業の経営者・責任者の皆様におかれましては、従業員の方の雇用契約に関して悩まれていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そこで、今月のニュースレターでは、トルコの労務全般に関する規定についてお伝えさせて頂きます。
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1. トルコにおける就業規則
はじめに、トルコにおける就業規則について説明させて頂きます。
日本とは異なり、トルコの労働法には就業規則の作成義務自体は明記されておりません。しかし、大企業においては就業規則に類似する社内規則を規定している企業も多く見られます。
就業規則がない場合でも、従業員が超過勤務を行う場合は事前にその旨を労働者側に報告する必要があります。尚、就業規則を作成する場合は、憲法、トルコ労働法に準拠した内容でなければなりません。
2. 雇用契約の種類
トルコにおいて、雇用契約は下記の4種類に分類されます。
- 有期雇用契約
- 無期雇用契約
- パートタイム雇用契約
- オンコール雇用契約
雇用者は雇用契約の開始より2カ月以内に雇用契約書を労働者に渡さなければなりません(労働法8条)。 雇用契約書には、通常および特定の労働条件、1日および1週間の労働時間、賃金および手当を記載する必要があります。又、有期雇用の場合には、賃金の支給時期および雇用契約の終了に関する事項を記載しなければなりません。上記雇用契約の分類とは別に、契約期間が30日以下の雇用を一時的雇用、30日を超える雇用を恒久的雇用と分類することもあります。
本採用前の「試用期間」に関して、日本では試用期間を企業側が自由に設定できる為、多くの日本企業が就業規則の中に通常3ヶ月から6か月の試用期間を設定していますが、トルコでは労働法に基づき、試用期間は最長2ヶ月迄と規定されています。試用期間内であれば、事前通知や賠償金の支払いは必要なく、即時解雇を行うことが認められています。試用期間終了後、雇用を継続する場合は正社員としての雇用となりますが、書面に記載される雇用契約の開始日は試用期間初日となります。
3.転職時のトラブルと対策
トルコ国内においては「ヘッドハンティング」等による同業他社への転職が珍しくなく、その際にトラブルとなる事例も多く見受けられます。最近では、退職した元従業員が同業他社へ転職し、前職の機密情報を漏洩している事実が判明、訴訟にまで発展するトラブルとなった事例や就業規則で規定されている禁止期間内に競合他社への転職が発覚した事例もあります。
トルコの労働法では、前職を退職してから原則として2年間、同業他社への転職が禁止されています。人材流出や大切な企業財産である機密情報を守る為にも、「同業他社への転職」に関する規定を就業規則や雇用契約書内に明記しておくことが必要です。一方、機密情報漏洩に対する対策としては、雇用契約書とは別に「守秘義務契約書」等を作成しておくことも、防衛手段の1つになるのではないでしょうか。
4. 傷病休暇取得時における社員の就労
最後に、下記の質問を例にトルコにおける傷病休暇取得時の就労について説明させて頂きます。
事例)
従業員が病院から診断書を持ってきました。3日の休職が必要と記載されていますが、傷病休暇を取得した社員を働かせることは可能ですか?
回答)
トルコでは病院の診断書に休職期間が記載されております。
この休職期間中に雇用者が労働者を働かせることは禁止されており、休職最初の2日間に関しては原則雇用者が労働者に給与を支払い、その後はSGK(社会保険庁)より支払いが行われることになります。
もし仮に、労働者と雇用者が合意の下、医師の診断書の休職期間よりも早めに労働を開始することを決定した場合、再度医師より診断書を発行し傷病休暇を終了させる必要があります。
診断書の休職期間内に労働した事実が認められた場合(SGK社会保険の登録上)、この期間労働者にSGKより支払われた休職手当は相当の金利を上乗せし返金する必要があります。さらにこの期間の労働が原因となり症状が悪化した場合、SGKより支払われる休職手当の1/4が減額されることになりますので、注意が必要です。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
上記内容に限らず、トルコにおけるビジネスに関しましてご質問等ございましたら、お気軽にご連絡いただければと存じます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
東京コンサルティングファーム トルコ拠点
高津 幸城
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