こんにちは。東京コンサルティンググループトルコ支社の吉田瞬です。
前回はトルコにおける滞在許可証(イカメット)の取得方法についてお話をさせていただきました。今週は現在のトルコの経済動向についてお話させていただきたいと思います。
最近発表された2018年第四半期のGDPは、前年同期と比較して3%のマイナス成長を記録しました。同年夏に対米関係の悪化で急落した通貨リラ市場は徐々に回復している一方で、消費や投資が低迷しているという事実もあります。又、トルコ経済は、新興市場との取引も拡大していますが、引き続きヨーロッパ地域への比重が高く、輸出の半分以上を占めるEU(欧州連合)経済が減速していることも懸念材料の1つです。
進出を考えられている企業様にとっては不安材料も多く残るトルコですが、アジアとヨーロッパだけでなく、中東、コーカサス地域など地理的に幅広い地域を繋ぐ要地であることには変わりなく、今後も中東やアフリカといった各地域のマーケットへの輸出、進出を行っていく上でゲートウェイとなる役割を期待されています。特に輸出に関しては第三四半期からは減速したものの、以前プラス10.6%と好調を維持しています。インフレ率に関しては2018年10月には25.2%を記録しましたが、今年の2月には19.67%と改善が見られます。
今後の展望としては、先ず対米関係や対露関係における政府の対応等も含めて、引き続き政治動向がトルコ経済に与える影響が非常に大きいと考えられます。政府の発表した新経済計画の結果次第で、現エルドアン政権にとっても正念場となることは間違いありません。
日本企業の進出数としてはまだまだ少ないのが現状ですが、多くの分野において、進出先として非常に魅力的なマーケットです。2017年には日本でも自動車業界をけん引するトヨタが工業部門売上高上位500社(ISO500)で、12年ぶりに3位にランクインするなど、好調な業界も多く見受けられます。
課題と期待の両面を待ち合わせるトルコ経済、今後も動向が注目されるところです。
次回はトルコの通信事情についてお話させていただきたいと思います。
弊社ではトルコ進出に関わるセミナーも開催しておりますので、日程をご確認の上、お気軽にお越しください。皆様の参加をお待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考資料
・日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42306440R10C19A3FF8000/
・JETRO
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/03/b09650f2e5404454.html
吉田瞬
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