トルコの賃金相場って、どうなっているの?

こんにちは、トルコ駐在員の田中隆道です。
5月の初め、7年4カ月ぶりに日本の安倍首相がトルコに訪問されます。日本の首相のトルコ訪問は平成18年の小泉純一郎元首相以来となり、今回、安倍晋三首相は首脳会談でエルドアン首相とシリアなど周辺国の政情安定に向けた協力について協議する予定となっています。また、安倍晋三首相はトルコ以外にも、都合が付けば4月末から5月頭までで、ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などを訪問し、各国首脳との会談等を行う予定とのことです。
安倍晋三首相の訪土に向けて、トルコに進出されている日系企業や各機関の一部の方々が慌ただしく準備に追われているとのことです。

さて、今回はトルコ労働者の賃金相場について取り上げたいと思います。

トルコ労働者の労働賃金は、トルコ事業主連合(TISK)によれば中間管理職の方で月額4,500~7,000TL(2013年4月現在:1TL=約54.48円)程度となっており、トルコでは30年ほど続いているインフレに対する調整により、労働賃金は緩やかな右肩上がりに増加傾向にあります。また、トルコ労働法62条により、原則として労働賃金(賞与は除く)は前年の給与額を下回ってはならず、下げる場合は労働者の同意を得る必要があります。
しかし、それでもトルコの労働賃金は日本やヨーロッパの国々と比較すると安く、トルコ人の勤勉さ等からトルコへの投資が進んでいます。

そして、トルコの最低賃金は、「労働者が通常労働した日の報酬として支払われ、労働者の食料、住居、衣服、健康、交通、文化など最低限必要な物品の市場での価格を基本として、最低水準でも支払うに耐えうる賃金である。」と最低賃金法の第4条に定義されています。2000年のトルコの最低賃金は月額約430TL程度でしたが、以降多少の上下はあるものの、労働・社会保障省によれば2011年下半期には月額837.00TL、2012年下半期には月額909.06TLとなり、チェリキ労働相は昨年の最低賃金の年間増加率を8.61%と計算しました。また、2013年上半期には月額978,60TLと決められました。

そして、現在では既に2000年の2倍の最低賃金が規定されており、このまま上昇が続けば今年の下半期には最低賃金が1000TLを超える見込みとなっています。人件費の上昇はどの企業にとっても喜ばしい話ではありますが、最低賃金が上がる一方で、購買力の向上やマーケットの拡大などが起り、モノの流通やサービス業への新規需要も期待できると考えられています。

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