付加価値税②

 

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

今週はトルコでの付加価値税に関する規定の紹介になります。

 

VAT の算出
VATは物品の生産から最終消費者への販売に至る、生産と流通のすべての段階において徴収されます。納付すべき税額は、納税者が発行した請求書に係るVATの総額と、それと同時期に納税者に発行された請求書に係るVATとの差額になります。

 

控除対象外VAT
以下のVATは控除対象とはなりません。

・ 車両の購入に係るVAT(費用として計上すべきもののうち、リースまたはオペレーティングリースに関する事業を除く)
・ 個人所得税または法人所 得税の計算上、損金不算入となる費用に係るVAT
・ 文化・社会・軍事・その他の控除の例外として規定VAT法17条に記載された取引に係るVAT

 

VAT免税取引
以下の取引、活動に係るVATは免除となります。

・ 石油の探鉱活動
・ 国際輸送
・ 外交官、国際組織およびその職員に対する納入
・ 既にVATを支払っており、当局が発行した投資証書を持っている個人や企業に対する輸入を行う場合
・ 船舶の港湾や航空機用の空港で実施されるサービス
・ 文化、教育、健康および類似の目的で政府機関またはその他の関連機関に対して実施される販売等
・ 銀行および保険会社が行うサービス
・ トルコ企業が海外支店および国内外のベンチャー事業から得た利益のうち特定のもの
・ R&Dに係る補助金
・ 特定の寄付、支援またはスポーツ活動の後援に関連した取引

 

■ VATの課税標準
VATの課税標準は税込価額ではなく税抜価額となっており、VAT法では課税標準を以下の4つの項目ごとに定めています。

・ 引き渡しやサービスに関するもの(商慣行上の合理的な割安料金や請求書等に明示的に記載された値引きは対価の額には含まれない)
・ 輸入に関するもの
・ 国際輸送に関するもの
・ 特殊な製品やサービス

 

また、以下の3つの取引の場合には、その市場価値(時価)が課税標準となるため注意が必要です。

・ 無償取引
・ 対価額が不明な取引
・ 対価が金銭以外の取引

市場価値とは、市場で類似商品やサービスに対して支払う平均の価額をいい、税務訴訟法を引用して決定されます。

 

■ VATの税率
VATの税率は、以下のとおりです。

 

[ VAT の払戻]
仮払VATが仮受VATよりも少ない場合、仮受VATから控除できない仮払VATについては、申告により還付を受けることができます。

 

[ VAT の申告・納付]
毎月発生するVATに対する申告期限は、申告対象月の翌月24日まで、納付期限は申告対象月の翌月26日までと定められています(VATの申告・納付期限は源泉税の申告・納付期限と同じ)。

今週は以上になります。

 

 

東京コンサルティングファーム トルコ拠点
高津 幸城

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