シンガポールで今年、2019年2月から変更になったビザのルールとして、予防接種の義務化があります。
このルールは同じビザでも、長期滞在をする未成年の外国人にしか適用されないルールですが、シンガポール国内で出産した場合にも該当します。
今回は、まだまだ手続き上戸惑う人の多い予防接種ルールについて、まとめてお伝えします。
子供ができたときの手続きは?
子供が生まれる際、日本の病院に入る方も多いかと思いますが、シンガポールの病院で出産する人もいることでしょう。
そこで生じる大きな違いは、日本の戸籍に登録するまでの手順です。
参考:https://www.sg.emb-japan.go.jp/ryoji_TODOKEDE_shusseipassport_j.pdf
シンガポールでの出産の場合、出生届は在シンガポール日本大使館で行いますが、そのためにはシンガポールの出産証明であるBirth Certificateが必要です。
一般に病院で発行してもらえますが、そのBirth CertificateのためにさらにMarriage Certificate(結婚証明書、戸籍謄本を提出して日本大使館で発行)が必要になるため、事前に準備しておくことが重要です。
出生届を出すと、日本の戸籍に新生児が登記されますが、数週間かかる場合もあるため注意が必要です。
戸籍に入ったことが確認されたら、新生児の写真を添えて、日本大使館でパスポートを申請、4営業日ほどで発行されます。
そこから最後にDP/LTVP(帯同家族ビザ/長期滞在ビザ)の申請を行えば、7~10日ほどで承認され、合法的なシンガポール滞在となります。
なお、ここまでの手続きは、出生から42日、事情を説明して延長を申請しても、最大で71日間に完了させる必要があり、遅れると罰金が科せられるため注意が必要です。
子供と赴任するときの手続きは?
日本で出産してシンガポールに連れてくる場合は、すでに新生児とは呼ばない一般の子供と同様の手続きを経る必要があります。
具体的には、通常の日本国内でのパスポートの取得、在シンガポール日本大使館への戸籍謄本提出によるBirth Certificateの発行、シンガポールで勤務する会社によるDPの申請、という順で手続きが進みます。
条件としては、子供の年齢が21歳以下であり、EP保持者の収入が月額S$6,000以上であることが挙げられます。
ここまでは特に難しいことはないのですが、日本で(または一般にシンガポール国外で)生まれた12歳以下の子供を連れてくる場合、そのビザ申請に冒頭にあげた予防接種の条件が付けられました。
予防接種の義務はどこまで?
シンガポールは小さな都市国家でありながら人の往来が多く、感染症には強い警戒を敷いています。
外国で生まれた12歳以下の子供が国内に長期滞在する場合、一般に学校に通って多くの児童と接触する可能性が高いことから、体の弱いところに病原菌を取り込んでこれを繁殖させ、周囲に拡散することにならないよう、予防接種が義務付けられることになりました。
対象となるのは麻疹(はしか/ましん:Measles)とジフテリア(Diphtheria)の2種類で、予防接種を受けていることを証明する書類を添えて、初めてシンガポール滞在ビザの、DP/LTVP/Student Passの申請が完了する、という制度になりました。
予防接種の証明、具体的には何をすればいい?
日本でも、児童に対する予防接種は実施されています。
麻疹とジフテリアは日本でも予防接種が推奨される病気の筆頭に掲げられているため、幼児でも地域自治体負担で予防接種を受けることが多いです。
そうした予防接種を受けると記録表が発行されますので、それを英訳して持ち込むことができます。
※英訳には公証役場などでの認めが必要になります。
記録表の情報を下に、フォームを埋めて署名したものを用意し、シンガポールで英訳された予防接種記録とその原本、Birth Certificateとパスポートを添えてスキャン画像で提出できれば、オンラインでの手続きは完了します。
該当サイト:https://www.nir.hpb.gov.sg/fcine/#/
その後、登録が完了したら予防接種証明書Verification of Vaccination Requirementsをダウンロードし、DP/LTVPなど申請時にアップロードすることができます。
慌てないように、しっかりと準備してシンガポール生活を送れるようにしたいものです。
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