- 2020-11-30
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スリランカで事業を行う場合、外資規制は大きな障害になります。
様々な業種で外国資本の制限が課せられており、詳細を把握しないままスリランカ現地法人の登記などを進めようとしても、法律に反するとして許可されないことが分かったりします。
そんな規制業種でも、外国資本に全く活動の余地がないわけではありません。
今回は、スリランカの外資規制を切り抜け、スリランカ国内で事業を行う手段をお伝えします。
スリランカにおける規制業種
スリランカの外資規制は、業種により外資比率に上限を設ける形で外国資本のコントロールを避ける方針を採っています。
一切外資が許されないのは以下の業種です:
- 質屋業
- 小売業(出資額がUSD5,000,000未満の場合)
- 沿岸漁業
外資の出資比率が40%までに制限されるのは以下の業種です:
- 特定製品の製造(国際的にスリランカの輸出数量が制限される製品)
- 特定食料品の栽培・一次加工(茶、ゴム、ココナッツ、カカオ、コメ、砂糖、香辛料)
- 再生不能天然資源の採掘・一次加工
- 国内木材を用いる林業
- 漁業(深海漁業)
- マスメディア
- 教育業
- 貨物運輸業
- 旅行業
- 海運業
その他、航空運送業、沿岸海運業、宝石の大規模採掘、宝くじ、産業促進法の規制対象などについては、事前承認が必要になります。
国内のパートナーに依頼
上記の規制業種にあっても、外国資本として進出を行いたい場合、特に一切外資の参入が許されない小売業などで事業展開を希望する場合には、スリランカ国内でパートナーを見つけ、出資者となってもらう必要があります。
この場合、出資者としてスリランカ人が株主となり、一義的にはその株主の所有物として事業を成立させることになるため、法的にはそのスリランカ人が法人を自由にする権利を持ち、また利益を配当する場合は全てこの株主が受け取り手となります。
このケースでは、信頼のおけるパートナーを見つけ、多額の出資を依頼すること、および利益を回収することに困難が伴うため、あまり現実的ではありません。
名義株主のスキーム
通常はスリランカ現地の会計事務所等に依頼して、少額の出資で現地法人を立ち上げ、そこにローンの形で資金を投入して事業を営むスキームが考えられます。
この場合も、利益を配当しようと思えば株主として登記される会計事務所等に送金することになってしまうため、利益の還流にはローンの利息を用いることが考えられます。
スリランカの法律ではオフショアローンに対する利率の制限もないため、高い利息で設定しておけば、利益が出た分を利息の支払いに宛てさせることで、実質的に利益の還流を行うことができます。
ただし、この場合には、国際取引として5%の源泉徴収税が徴税されることに注意が必要です。
以上、スリランカの規制業種で事業を営む可能性についてお伝えしました。
国の方針も理解しつつ、国に貢献できるような事業を営んでいきたいものです。
スリランカの事業に関して、外資規制その他、様々なご質問をお受けしています。
お気軽にご質問をお寄せください。
参照:
https://www.mondaq.com/inward-foreign-investment/238324/a-guide-to-foreign-investing-in-sri-lanka
https://investsrilanka.com/investment-policy/
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近藤貴政
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