携帯電話が5G(第五次世代)に突入し、第四次産業革命などという言葉も聞かれるこの頃ですが、シンガポールが推進しようとしている概念としてサービス4.0というものを耳にしたことはおありでしょうか。
今回は、新たな技術革新を果敢に受け入れ、投資を後押しするシンガポールの国策の中で見る、このサービス4.0をご紹介します。
目次
そもそもの定義は?1.0、2.0、3.0をおさらい!
まず、サービスというもの自体を定義すると、どうなるでしょうか。
基本的には、製品として手渡されるもの以外で提供される、無形の商品(Intangible Commodity)と言われます。
サービス経済が発展する中で、一番基本なのが手を動かすサービスです。
具体的な作業として理解されやすい商品ですが、例えば接客やメンテナンスなど、手を動かす作業をさしていわれます。現在、こうした作業はサービス1.0と呼ばれるようになっています。
これに対して、インターネットをベースにしたサービス提供のためのサービスが存在します。
具体的には、チケットの予約や買い物などを、オンラインでできるようにしたサービスと、それを可能にしたインターネットビジネスをまとめてサービス2.0と呼んでいます。
その先にあるのが、スマートフォンが普及し、Wi-Fi環境が一般的になった社会で発展する、クラウド型サービスの登場です。利用者が世界のどこにいても、契約さえしていればいつでも使用できる、メールサービスやファイルシェアリングサービス、アウトソーシング用会計ソフトなどを指して、サービス3.0と呼びます。
IaaSとPaaSとSaaSも教えて!
最後に触れたサービス3.0からは、ちょっと専門的で分かりにくい、三つの用語が出てきます。
それは、インフラ提供サービス(IaaS)、プラットフォーム提供サービス(PaaS)、ソフトウェア提供サービス(SaaS)と呼ばれるサービスです。
自社内にすべてのツールを設置するオンプレミス(On-Premises)のサービスと比べ、どのサービスプロバイダーの側が管理するかによって、以下の図のように区分されていると考えることができます。
その先なんてあるの?はい、サービス4.0、XaaSがあります!
シンガポールでは、給与計算ソフトや会計記帳ソフトのクラウドサービスはその数あまた、企業で役立つ役立つ人事考課制度のクラウドサービスなど、完全にクラウド化されたSaaSのサービスが多く提供されています。
しかし、利用者がインターフェイスを操作できないなど、不都合も生じることの多いクラウドサービスは、自然と顧客に寄り添ったサービスプロバイダーに人気が集まることになります。
そこで、目が向けられるのは、利用者のニーズを察知し、そのフィードバックに共感する形で提供される、末端相互間(End-to-End)のサービス、サービス4.0です。
これは、AIが各利用者のサービス利用状況をチェックし、それをもとにどのような改良が可能かを人が考え、サービス提供者とサービス利用者が相互に連絡し合える組織づくりを指しています。
もう一つのキーワードがXaaS(Anything as a Service)、あらゆるものをサービス提供するという考え方です。これは、企業の中と外とで垣根を作るのではなく、サービスを提供する主体をプロジェクト・パートナーとして共同作業に組み入れる考え方です。
仕事がなくなると言われながらも、残業が消えないくらい人不足が続く世の中で、足りないのはどんなことでも仕事を頼める、サービスプロバイダーの在り方だ、と考えたところにXaaSの魅力があります。
シンガポールはどうしたいの?
シンガポール情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)が、これから3~5年の間に起こるであろう技術革新について、大きくサービス4.0としてロードマップを示しています。
参考:https://www.imda.gov.sg/sgdigital/tech-roadmap
すでに3分の2のシンガポール企業が、自社のサービスはAIなど最先端の技術にとってかわられると認識している中で、仕事を奪うばかりでなく、仕事を作り出す方向に向かう技術開発を後押しする必要があると強調されています。
どんなことでも提供できるサービスプロバイダーとして、企業の枠を超えて仕事を提供することができるようになれば、それは新しい生き方(エコシステム)を生み出すことになります。
3年から5年といえば、ごく身近に迫った話ですが、シンガポールはこんな未来の生き方を議論しています。
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