増資と親子ローンについて

労務

 皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。

シンガポール子会社への資金送金方法として、親子ローンにするか、増資にするか、その方法を検討する企業もあります。

では、メリットデメリットについてみていきましょう。

<増資について>

シンガポールの増資手続きは非常に簡単に行えます。多くの会社の株主は親法人が100%出資しているケースがあり、親会社の権限委任者の同意と、子会社の取締役会決議によって行えます。

シンガポールにおいては増資決議後、1カ月以内に送金を完了し、ACRAに増資手続きの申請をしなければならないので、スケジュールについては余裕をもって行うことが必要です。

<親子ローンについて>

子会社利益還元の方法として、貸付からの利息収入を検討される企業も多くあるかと思います。もちろんそれは有用な方法ですが、気を付ける必要があるのは、移転価格税制についてです。

貸付をする場合には、Loan Agreementを締結しその上で利率も決定することになります。この利率設定が高すぎると子会社の国において指摘を受け、低すぎると日本側で指摘を受けることとなります。合理的な利率を設定しなければなりません。また、源泉税が課されることにもなりますので、事務の手間は増えることになります。

要するに、増資手続きは比較的簡単にでき、親子ローンの場合になると利息設定で移転価格税制、源泉税を考慮する必要がありますが、利益還元を考えるとメリットのある方法です。

 

【問い合わせ先】

Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,

岩城 徳朗(iwaki noriaki)

iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com

+65-8363-9858

 

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2019-10-23

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