最低賃金支払時の源泉税について

税務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

今週のブログは最低賃金支払時の源泉税について、お話させて頂きます。

最低賃金以下の給与を受け取っている方は、給与から源泉税を控除されません。根拠条文はNational Internal Revenue Code CHAPTER XIII SEC.79 (A)になります。
参照URL:https://wp.me/paycBk-bj

最低賃金は地域によって異なるので、ご注意下さい。
参照URL:「地域別最低賃金」https://wp.me/paycBk-bU

これに関して以下のようなご質問を頂きました。

Q. 最低賃金を少し超えて給与を払うと、源泉税の計算で手取り分が最低賃金分より低くなるのだが、これはしょうがないのか?

→はい。現状はそのように一定の賃金までは逆転現象が起きてしまっております。
源泉税の計算の詳細はここでは省略させて頂きますが、マカティで土日休みの企業で働く方の基本給とその源泉税、手取りを一覧にしましたのでご参照頂ければ幸いです。

(単位:PHP)

基本給 源泉税 手取り
10,252 0 10,252
10,500 808.33 9,691.67

※最低賃金支払時より
手取りが低くなる

11,000 908.33 10,091.67

※最低賃金支払時より
手取りが低くなる

11,250 958.33 10,291.67
11,500 1,008.33 10,491.67

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※独身、扶養者なしの場合で源泉税の月次計算テーブルより試算。計算の便宜から社会保険は計算に入れていません。

上記試算から、マカティの場合には最低賃金から基本給を1,000PHP程度上げるまでは、逆に手取り額が低くなってしまうことが分かります。この逆転現象を避けるために、最低賃金から一定程度給与を上げる場合には、非課税手当(De Minimis)を使われるとよいと思います。
参照ブログ:http://blog.goo.ne.jp/tcg-philippines/e/a2f9c527e8a02c9e75e75805238ef60b

非課税手当のうち医療現金手当(Medical cash allowance)と実際の年次医療補助(Actual yearly medical assistance)は厳密にはOfficial Receiptが必要なので、それらを除いた約2,600PHP分までは非課税手当を使って昇給すれば、手取り額の減少は避けられます。

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上

 

 

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