こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。
先日ご訪問させて頂いた企業様で聞かせて頂いた話ですが、最近パサイ市やマラテのほうで肩にタオルをかけた警官、通称「タオル警官」が出没するそうです。名前からすると仕事に精を出して、汗水流して頑張って働いてくれているような感じもするのですが、彼らが行うことはその逆です。肩にかけたタオルは自分の警官として身分証明を隠すためのもので、自分の名前や警官としての素性を隠して、道路を走行中のドライバーにいわれのない罰金を要求したり、おかしな因縁をふっかけて賄賂を要求するなどの悪事を行うそうです。それゆえ、肩にタオルをかけた警官「タオル警官」を見かけた際には、近寄らないのが無難、ということです。
タオルで名前を隠して悪さをするなど、「子供か!」とツッコミを入れてしまいたくなる気もするのですが、名前も隠さずに堂々と交通違反の罰金を50PHPや100PHP程度の賄賂で帳消しにする警官を何度も見たことがあるので、タオルもそれに比べたら知的な手法と言えるのかもしれません。いずれにせよ、我々一般市民としては、触らぬ神にたたりなし、というのがタオル警官に対する一番の対処法かと思われます。
さて、今週はフィリピン実務のQ&Aについて、お話をさせて頂きます。
Q. 税金の納付遅延に関するペナルティの額について教えて下さい。
→通常ペナルティはCompromise table、加算税、延滞税の3種類に分類されます。Compromise tableは税金の納付遅延の際に発生するもので、法人の場合には1,000PHP、個人の場合には200PHPがペナルティの額になります。
加算税は税金の納付遅延に関する主たるペナルティで、納付遅延額の20%が通常のペナルティの額になりますが、BIR(内国歳入庁)に不正があったと判断された場合には納付遅延額の50%がペナルティの額となります。
延滞税は延滞にかかるペナルティで、納付遅延額に対して年20%かかります。これは日割りで計算されるので、3ヶ月の遅延であれば納付遅延額の5%、半年の遅延があれば納付遅延額の10%、3年の遅延であれば納付遅延額の60%というように計算されます。上記3つのペナルティの合計額が、BIRへ納付するペナルティの金額になります。
手書きの帳簿や手書きの領収書など、とかく原始的な会計処理を義務として行っているせいもあって、徴税漏れが非常に多いためか、フィリピンでは税収の不足を罰金で賄おうとしているなどと言われており、月次や四半期、年次の納税申告の締切日は多く、またタイトに設定されております。
年間の納税申告スケジュールをチェック表にして張り出すなど、ウッカリをなくす努力をし、計画を立てて準備を行い、締切日の2~3日前に常に納税申告をされるのが理想かと思われます。
今週も、どうぞ宜しくお願い致します。
以上