フィリピン進出状況の傾向とパターンとは?!

 

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

 

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.65< フィリピン進出状況の傾向とパターンとは?! >

今回は、【日系企業フィリピン進出の傾向とパターン】をご紹介します。

私自身、この2年間で少なくとも100社以上の日系企業様から、フィリピン進出のご相談を受けてきました。
また、弊社が進出している新興国27ヵ国の中で、フィリピン進出のお問合せが断トツで多い状況です。

 

では、フィリピン進出を検討する日系企業にはどういった傾向とパターンがあるのか、私個人の見解をまとめていきます。

傾向は、一言でいうと「コストダウンから売上アップ」です。

これまでフィリピン進出は、製造業・物流業・IT業のBPO、すなわち輸出型企業の進出がメインでした。
これは、PEZA等の経済特区に与えられる税制優遇を中心に、堪能な英語力・豊富な労働力などのメリットを活かした、いわゆるコストダウンを目的とした進出です。
コストダウンにおいても、近年は「物の移動」から「人の移動」が積極的に行われるようになってきました。

 

一方で、近年増えてきてるのが、売上アップを目的とした進出です。

人口1億人を超えるフィリピン国内のマーケットを狙った投資が増えています。
一概に特定の業種が増えていることではなく、あらゆるビジネスチャンスを見据えている企業が多いようです。
飲食・不動産・建設業だけでなく、ローカル企業向けの貸金業、金融や採用システムの開発、ネットショッピング、再生可能エネルギー、自動車やオフィス用品の輸入販売、プロジェクションマッピング等の映像やWeb技術、健康食材のデリバリー、語学・スポーツのスクール運営といった、本当に様々な事業がスタートしています。

 

 

次に、フィリピン進出のパターンを大きく5つに分類分けしました。

➀大企業の進出
ドゥテルテ政権が進める大規模なインフラ整備計画による、鉄道開発等のODA案件による入札を機に進出するパターンが増えています。
この先5年~10年のプロジェクトを主目的とし、その後の事業継続も模索しています。

 

②中小・中堅企業の進出
日本でのマーケット縮小や人材不足の煽りを受けて、残された方法は3つ(海外進出・国内特化・座して死を待つ)です。
まさに生き残りをかけて進出するパターンです。
日本でのノウハウや実績をベースにした関連事業だけでなく、中には日本とは全く異なるビジネスをする企業もあります。

 

③独立起業家の進出
フィリピンに来て、自らの事業をゼロから立上げるパターンです。印象としては、セブでの若手起業家が多いように感じます。いわゆる任期のある駐在員とは違い、起業家であり経営者として覚悟を持って事業運営をされています。

④第3ヵ国としての進出
昔からチャイナ+ワンと言われていたものの、近年の米中貿易摩擦による高関税の影響で、ASEAN地域への進出を余儀なくされたパターンです。
中国企業のパートナーと共にフィリピン進出するケースもあります。

 

⑤海外での比人材活用として進出
ASEANや中南米などグローバル展開してる企業では、教育されたフィリピン人を他拠点の立上げやマネジメントに従事させるパターンがあります。
また、英語が堪能であり、出稼ぎの慣習があるフィリピン人を海外に送ることは、グローバル人材が不足してる日本にとって重要であり、当然日本人を送るのに比べて、圧倒的にコストを抑えることが出来ます。

 

これ以外にも引き続き不動産投資、そして今後はフィリピン人の日本送り出しといった事業も大きなポテンシャルを秘めているのは言うまでもありません。

世界銀行の2019年版「ビジネス環境ランキング」で124位と低迷するフィリピンですが、今後予定されている会社法改正や税制の近代化を目的として税制改革によって、国際競争力が高まり、フィリピン進出が増えることを期待したいと思います。

 

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、

是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

 

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