皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコにおけるアウトソーシング契約について記載します。
質問)
知り合いの会社から、先方の行っている業務の一部、具体的には市場調査の一部、を当社にアウトソーシングしたいと言われました。当社がメキシコ現地の企業へも行っている営業活動によって得られる情報が、先方のニーズにマッチしているとの理由からです。
当社としては、ほとんど追加でコストをかけることもなく、収益を得られると思われる内容だったので引き受けたのですが、契約書を作成していく中で、当社のリーガル部門のスタッフから「アウトソーシングの契約書はリスクがあるということを把握しているのか。そのリスクをお互いに理解しているのか」ということを言われました。
周りを見ていても、このように自社で行っている業務を外部企業へ依頼しているケースがあると思うのですが、どのようなリスクがあるのでしょうか。
回答)
実際に「リスクがある」と伝えた御社のスタッフの方と話をしたわけではないので確かなことは言えませんが、頂いた質問の内容から察する限りでは、スタッフの方との間で“アウトソーシング”という言葉の解釈が異なっていたことが原因ではないかと考えられます。
通常日本人が考える“アウトソーシング”とは、業務の一部、もしくは全てを外部の機関(企業)へ依頼する、いわゆる業務委託のことです。一方、メキシコで“アウトソーシング”と言う場合、日本の派遣としての意味合いを持つことがあります。
では、業務委託と派遣の違いとはそもそもどのようなものなのでしょうか。一時期、日本では業務委託契約であるにも関わらず、実態は派遣であるということで問題になったことがあります。
簡単にまとめてしまえば、指揮命令系統の違いよる責任の所在の違いということになります。
例えば、今回のような市場調査を業務委託として実施する場合、業務を依頼した企業は業務の進め方の一切を委託先に任せることになり、業務遂行に関わる一切の責任を負う必要はなくなります。一方で、派遣契約の下に行った場合は、業務の進め方を派遣先がコントロールする、つまり業務遂行に関する責任を負う必要が出てきます。
契約の内容によっては、必ずしも全ての責任を負うということにはならないかもしれませんが、このような違いがあるということを認識している必要はあります。
さて、話を戻します。今回のご相談ですが、冒頭に記載したように言葉の解釈の違いによって生じた可能性があります。そのため、“アウトソーシング”という言葉だけで伝えるのではなく、背景や実態を細かく伝え、お互いに認識を合わせる必要があるのではないかと考えます。
株式会社東京コンサルティングファーム
メキシコ拠点
黒岩洋一
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