2017年度の最低賃金

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週は2017年度のメキシコの最低賃金について記載します。

 

 

質問)

2017年度の最低賃金が発表されたと聞きました。実際に発表されている数字では3.9%の上昇となっていますが、実際の最低賃金額を見ると2016年度の最低賃金から9%以上昇をしているように思えます。

なぜ、3.9%の上昇率だとして発表がされているのでしょうか。

 

回答)

 全国最低賃金委員会(CONASAMI :El Consejo de Representantes de la Comisión Nacional de los Salarios Mínimos)は、2016年12月1日付で2017年度の最低賃金を前年比3.9%UPの「80.04メキシコペソ(MXN)/日」に合意したと発表しました。これにより、2017年1月1日よりメキシコにおける最低賃金は80.04MXN/日となります。

 

ご質問にあるように、2016年の最低賃金は73.04MXN/日であるため、純粋に考えれば最低賃金は対前年比で9.6%も上昇することになりますが、CONASAMIの発表では最低賃金の上昇率はあくまでも3.9%だと発表しています。当局の発表内容を見る限りでの彼らの説明は以下となっています。

 

「既に公表したように、本年夏に最低賃金を1日当たり4.00MXN上昇させる予定であったが、イギリスをはじめとするEUやアメリカの政策等の世界経済の影響によって、それはかなわなかった。一方で、この上昇は本年度の最低賃金としては認識させる必要があるため、2017年度の最低賃金(80.04MXN/日)と比較する2016年度の最低賃金は77.04MXN/日にする必要がある。よって、2017年度最低賃金の上昇は77.04MXN/日と基準として考えるため、3.9%の上昇になる。」

 

当局からの発表内容を見る限りでは、実際に最低賃金77.04MXN/日が適用されることはなく、あくまでも2017年度の最低賃金との比較計算するために使われるだけのようです。しかし、ここ数年は対前年比で4%前後の上昇であったことを踏まえると、2017年の上昇率はかなり高い水準となっていると考えてもよいでしょう。

 

 

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