皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの藤田大です。
今週は福利厚生費のメリットについて記載します。
質問)
メキシコに4月から赴任し、
既にある程度整っている組織を見ながら、今後の体制についても考えています。
その中で福利厚生を見直そうという社内提案があり、コスト面と従業員への恩恵等を考えています。
そもそもの質問として、メキシコ人スタッフにとって、
福利厚生として還元するのが良いのか、それとも現金で付与するのが喜ばれるのか。
また、会社のコスト面、税金で考えるとどうなのかを知りたいと思っています。
メキシコにおける一般的な福利厚生制度と交えて、教えて下さい。
回答)
メキシコにおける日系企業にて一般的な福利厚生は以下のようなものが挙げられます。
別駐在員のブログにて、より詳しく記載していますので、ご参照ください。
https://kuno-cpa.co.jp/mexico_blog/メキシコの福利厚生事情/
・民間保険(高額医療保険、生命保険)Gastos Medicos Mayores、Seguro de Vida
メキシコでは、IMSS(Instituto Mexicano de Seguro Social)と呼ばれる社会保険への加入が義務付けられてはいますが、内容は然程手厚くはなく、多くの日系企業ではこの社会保険に加えて民間保険の料金を負担することを福利厚生として提示しています。
・食事手当Ayuda de Comida
フードクーポンと呼ばれる買物券(Vale de Despensa)の支給や、社食:Comedorとして社内食堂を完備しているところがございます。
・通勤手当Ayuda de Transporte
ガソリン券(Vales de Gasolina)での支給、もしくは通勤費用を給与に上乗せして支払うといった対応が可能です。
・社内預金:Fondo de Ahorro
一般的にメキシコ人は自身で貯蓄をするという習慣が無い為、企業にて月給の数%を毎月預り金とし、年末に返還するという制度です。多くの場合は、返還の際に数%加算したものを支払っています
複利厚生費と現金支給の違いについては、
現金支給(給与)にした場合以下の2通りになります。
・基本給の昇給
・ボーナスの一時的な支給
企業視点から見れば、給与は損金算入可能である為、税務面で見ればメリットがあると言えます。しかしながら、基本給を上げてしまうと降給が難しい為、慎重に対応する必要があります。
従業員から見れば、給与又はボーナスで支給された場合、
人によっては所得税の税率が上がるケースもあるため、その点も考慮に入れる必要があるといえるでしょう。
一方で福利厚生費の場合、前述した選択肢がありスタッフの意向を組んで設定する事が出来ます。
また、スタッフとしても「所得」に該当しないため、
所得税を余計に差し引かれる事がない点がメリットといえます。
しかしながら、企業から見れば複利厚生費を損金算入する為には、「すべての社員に平等」に支給する必要があります。
よってスタッフに支給したい分量を調節する事が難しいという懸念点があります。
以上の点を考慮に入れ、可能な限りシュミレートしてから実施に移る事を推奨いたします。
東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
藤田大
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