今回はメキシコのIFRS(国際財務報告基準)への対応についてお話します。
従来メキシコのIFRSへの対応は、全面適用(Adoption)とするのではなく、日本と同様に独自のメキシコ会計基準をIFRSに順次適応させていく方針(Convergence)を選択していましたが、2012年の改正により、上場企業については全面適用が求められることとなりました。
上場企業は、IFRSの導入を求められていますが、メキシコ会計基準は、IFRSの考え方に似ているところも多いために、メキシコ会計基準の理解があれば、IFRSについて基本的な理解をすることは特段難しくありません。
ただし、繰延PTU(Participación de los Trabajadores en las Utilidades de la Empresa:労働者利益分配金)に関する基準や工事契約に関する入札コストの取扱等、IFRSには規定されていない特別な基準も一部存在しています。
それでは、具体的にIFRSとメキシコ会計基準の違いを見ていきましょう。
その他、メキシコ特有の制度である労働者利益分配金(PTU)について、メキシコの会計制度上、会計上の利益額とPTU算定のために用いる利益額との差額については、繰延PTUとして貸借対照表上に表示する必要があるといった違いがあります。