皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコのFACTURA(ファクトラ)について記載します。
質問)
記帳代行を依頼している地元の会計士から「FACTURAが無いので、タクシー代は損金計上ができません」と言われました。
運転手から領収証も受取っており、業務に関わる移動のため会社の必要経費だと思いますが、なぜ損金計上がされないのでしょうか。
回答)
会計士の言うように、たとえ領収証があったとしてもFACTURAのない支払はメキシコでは損金計上することが出来ません。これは、メキシコの会計・税務が電子化されていることに加え、取引情報がリアルタイムにSAT(国税庁)と連動されているという仕組みが大きく影響しています。
FACTURAとは請求書のことであり、以下のような情報が記載されており、この情報が発効と同時にSATへ報告される仕組みになっています。
●発行日時、発行番号
●発行元及び発行先情報(名前、住所、RFC)
●金額及びコンセプト
●支払方法 等
上記からもわかるように、SATでは「いつ、誰が、誰に対して、何を、いくらで」取引したかを知ることができ、この情報を基に正しく税金計算がされているのかをSATは確認しています。
逆にFACTURAが発効されていない取引に関しては、SATは取引情報を把握できていませんので、このような費用を損金として計上してしまうと税金額の正否を判断できません。そのため、税金計算に影響を及ぼさない損金不算入項目としてFACTURAの無い支払は処理することになるのです。