皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコにおける為替リスクについて記載します。
質問)
メキシコ経済はアメリカへの依存も高く、為替の影響を大きく受けていると聞いています。実際、ペソ安が進んだことによって、石油や生活用品の値段も年々上昇しているようです。もちろん、インフレが進めば現地の給与も上げざる得ないので、企業運営にも影響が出てきてしまいます。
さて、為替が現地法人のコスト上昇にも影響を与えるという点は理解できますが、その他にもメキシコの企業運営において影響が出てくることはありますでしょうか。
回答)
ご認識の通り、メキシコの経済はアメリカとの関係が強いため、対ドルの為替のレートが経済に与える影響は小さくありません。メキシコ経済という大きな枠組みでなかったとしても、日系企業の多くはUSDでの取引を行っているため、メキシコペソで記帳をしなければならないメキシコの会計制度下においては為替の影響が企業の業績に密接に影響を及ぼしてきます。
例えば、ペソ安が進む状況下において、USD建の資産よりも負債(借入)を多く保有していた場合、為替差損を計上する必要があり、本来の業績とは直接関係ないところで利益を圧縮するような状況も生まれてしまいます。
また、同じペソ安の状況下において、逆にUSD建の負債よりも資産を多く保有していた場合は本来の業績とは関係ないところで、収益が計上されることにもなります。事実、2016年度はアメリカの大統領選挙の影響によって、一気にペソ安が進み、USD建の負債よりも資産を多く保有していた企業は本業では赤字であったが、為替差益の影響で利益が生まれたため、法人所得税の申告が必要になったというケースが生じました。
加えて、為替の影響によって利益が生じた場合は、PTU(労働者利益分配金)にも影響を与えるため、先述したような企業(為替の影響で利益が出た)はPTUの支払いまでもが必要になっていました。
かといって、USDの保有比率を低くするという方法もリスクがないとは言い切れないため、為替予約などの方法を用いて為替のリスクは軽減するような方法を取ることにはなるでしょう。
株式会社東京コンサルティングファーム
メキシコ拠点
黒岩洋一
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