メキシコにおける会社の区分について

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコにおける会社の区分について記載します。

 

質問)

日本では「大会社、中会社、小会社」といったように、会社の区分がされています。

例えば、会社法上の大会社(資本金5億円以上、または負債200億円以上)に該当した場合、投資家保護や債権者保護の観点から、会計監査人の設置や財務諸表類の公開などが必要になります。また、同族会社の株価評価を行う際に用いられる、会社規模の判定方法(従業員70名以上は大会社になる等)も会社を区分する方法としては存在しています。

メキシコでも日本のように、このような法律等で会社を区分することはあるのでしょうか。

 

回答)

メキシコでも会社の規模によって、会社を区分するという考え方は存在しています。

例えば、日本のように大会社・中会社・小会社というカテゴリーで区分けをする際には、資本金を基準として判断されるのではなく、従業員数や売上高に基づいて「大・中・小」といった大きさでの区分けをメキシコでは実施することがあります。

 

区分

従業員数

年間売上高
(百万メキシコペソ)

零細企業

10人以下

~ 4

小会社

11人 ~ 30人

4 ~100

中会社

31人 ~ 100人

100 ~ 250

大会社

101人 ~ 251人(※)

250 ~

※252名以上もこのカテゴリーに含まれると考えられる。

【参考】

http://www.2006-2012.economia.gob.mx/mexico-emprende/empresas/microempresario

 

ただし、上記の区分が直接的に何か法的な義務を負うということではなく、該当する法律等に基づいて法的な義務は生じることとなります。

 

例えば、外資企業の場合、経済省外資局(RNIE:Registro Nacional de Inversiones Extranjeras)に対して、四半期又は年間での申告の義務が生じることがあります。

この報告義務は、会社の規模によって決定されるのではなく、資本金の変動額が一定額を超えた場合などにより報告の義務が生じることとなります。

また、一定の売上高を超える場合、確定申告時の書類として税務関連情報申告書(DISIF:Declaración Informativa sobre su Situación Fiscal)と呼ばれる書類の提出も必要となっています。

 

これらの提出義務は、日本のように従業員数や負債の額などによって区分けされた会社区分によって、定められているわけではありません。該当年度における資本金の変動額や売上高によって定められています。

そのため、毎年自社がこのような対象になっているのか否かをしっかりと確認する必要があるでしょう。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

メキシコ拠点

黒岩洋一

 

 

 

 

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