人にフォーカスするか、成果にフォーカスするか。

「人こそビジネスの源泉」
ドラッカーは、こう言いました。

これを聞くと「人を大事」ということで
誰もが異を唱えることはないと思うのですが、、、

昔の私は、この言葉を聞いて”人を育てる”
ということが全て、と考え、よく上司から
叱責を受けたものです。

特に、管理者ポジションの人がこの言葉を
勘違いしてしまうと、”成果のあがらない組織”
が出来上がってしまうことがあります。

この言葉の意味を改めて考えてみると、
・ビジネス → 価値創造
・人 → 組織メンバー
・源泉 → はじまらない

そして、”成果をあげる”という事を軸に考えると

成果(結果) = 戦略 × 実行

どんなに良い戦略があっても、実行が
なければ絵に描いた餅。
1,000人の社員がいる会社でも、実行力が
なければ数十人の中小企業に負けることもあります。

このドラッカーの言葉は”実行”にフォーカス
したものであり、ということは、これは”手段”
であり”目的”ではない、と。

実行力を高めるために、人を育て、仕組みを
作り、ということを行いますが、それは目的が
あってのことで、それが無い状態であれば、
当然”戦略”もなく、漠然と”仕事を教える”、”知識を教える”
”経験を積ませる”といった事が延々と繰り返されます。

そして、漠然と育てられた部下はどうなるか・・・
知識・技術・経験は身に付いても”先が見えない”状態に
なって、気付けば転職先を探し始めることでしょう。

ビジネスの目的は”顧客の創造”とドラッカーは言います。

この”目的”を踏まえたうえで、”人が源泉”という言葉を
考えるとこれが”手段”という事が見え、”何を指導すれば
お客様から喜ばれるようになるか”という軸が出来上がります。

この軸が無いと、”目の前の仕事をこなすため”の部下指導、
つまりは”技”だけを教えればいい、となります。

正しい軸に沿って社員に対して指導を行うことで、
正しい方向へと社員を導いていくことができます。

知識の伝播はそこまで大きな問題を生みませんが、
思考の伝播、価値観の伝播は組織を崩壊させかねません。

だからこそ、正しくものの見方、考え方を伝えられる
上司、管理者の育成、選定が長期的に見て重要なのです。


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