こんにちは、東京コンサルティングファームの大橋 聖也です。
フィリピンで4年・ベトナムで2年の海外赴任を経験し、ASEAN拠点を中心に日系企業の海外子会社マネジメントの支援をさせて頂いてます。
【1分でわかる海外子会社マネジメントのイロハ】
No.12<ローカル経営管理者育成の重要性>
近年、海外子会社の役割は、コストダウンを目的とした機能型の製造拠点から収益アップを目的とした地産地消型の販売拠点へと変化しています。
海外子会社がコストセンターからプロフィットセンター化する上で、現地拠点長は本社の部門長から子会社社長の役割を担っていきます。
ここで将来の海外子会社の成否を握る2つの経営テーマについて触れていきます。
1,トップの思考法
海外子会社のトップがどんな思考法を持っているかで海外子会社の将来の成果は大きく変わります。
発展途上国に進出しポテンシャルの高いマーケットでも、トップの思考法如何で目標設定の高さやスピード感は異なり、成長の機会損失を起きている可能性があります。
ダメな思考法とは、経営する上で起きる問題を外部環境のせいにします。
成果が出ないのは、国の政治がダメ、経済環境が悪い、顧客に予算がない、社員の能力が低いからなどなど。。
ここで共通して言えるのは、トップの発言が常に、解決策のない問題の説明である「愚痴」、問題の原因を自分以外の外に置く「言い訳」となっていることです。
上手くいく思考法とは、目標設定・戦略策定・組織作りを通じて、問題を課題化させ解決しようとします。
国がまだ未発達で環境が十分に整っていない⇒先駆者利益を得るチャンス
国が発展し競合が多く参入してる⇒差別化し、シェア獲得する
顧客の予算がない⇒顧客利益になる商品・サービスを考える
社員が動かない⇒リーダーシップ・コミュニケーションの方法を変えてみる
なぜ、成長する企業と成長できない企業を決めるのに、トップの思考法が重要なのかは2つあります。
1 つ目は、「目標設定」。
目標設定とは、何をいつまでにやるか。
この目標設定は企業の自由設計ですが、これを決めるのがトップの仕事です。
ポイントは、この目標設定の高さによって企業の成長の角度が決まるということ。
企業の成長は、この角度以上に成長することまずありません。
成長を続ける企業とは、よりストレッチの効いたチャレンジングな目標を設定しています。
2つ目は、「目標に対するコミットメント」。
目標に対するコミットメントの強さが実現可能性を決めます。
トップが外部環境のせいにして、目標設定を下げることがいつでも出来てしまいます。
コミットメントを高める上で重要なことは、上から言われた目標ではなく自らが目標設定 し責任を果たす覚悟を持てるかで、主体的な行動力に繋がります。
2,誰がトップになるか
次のテーマは、誰をトップにするかです。現状は多くの海外子会社のトップは日本人ですが、
今後、現地でビジネスをやっていくのであれば、現地に精通し任期のないローカル人材をトップにおき、地産地消型の経営を目指していく必要があります。
そこで、国・業種問わず共通の経営課題となるのが、ローカルマネージャーの経営管理者育成です。
ここで重要な思考法が、企業の経営理念や戦略に沿ったリーダーシップを発揮できるかです。
リーダーシップとは、役職や経験に関係なく、主体的に行動できるかどうかです。
主体的な行動ができるかどうかは、今現在、自分に与えられた権限や仕事内容は関係ありません。
これは、自身の責任範囲の大きさで決まります。
一般的に、権限・役職と責任範囲はイコールと考えられますが、
ポイントは、権限や役職は会社が決めるが、自らの責任範囲は自分で決められることです。
そして、権限・役職を与えられ昇進する人というのは、自ら責任範囲を上司の範囲で考え行動できる人なのです。
責任範囲を拡げられるかは、知識や経験といったSKILLの高さでありません。
何をすべきか、何を期待されてるかという利他の精神や目的意識といったWILLの高さです。
自らの興味・関心といった本能で仕事をするのではなく、自らのミッション・責任といった理性で仕事が出来る人は、
結果として他者や社会に与える影響力が大きくなり、より多くの価値提供ができます。
今後の海外子会社を担うローカルマネージャーが今、どれだけ経営理念や戦略を理解できているか、日々の仕事の中でどこにフォーカスしているか、正しい思考法を持てる教育の機会が必要です。
将来の重要性の高い仕事ほど、目の前の緊急性の業務に追われ、先延ばしされやすくなりますが、
海外子会社マネジメントの成長するための仕組み作りと考え、是非今から取り組んでもらえればと思います。
弊社では、このようなローカル社員の意識や行動変化を促し、組織の課題解決するためのマネジメント強化として、ローカル経営管理者研修を行っています。
人材育成から組織作りまで、海外子会社マネジメントにお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡お待ちしております。
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株式会社東京コンサルティングファーム
大橋 聖也
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