こんにちは
東京コンサルティングファームの山﨑です。
今日は「商品サービスの正しい値付けとは?」というタイトルでお届けします。
企業は社会や特定のお客様が抱える問題や課題を解決すること。
これはすべての企業が持つ責任です。
どのように問題を解決するのか?それは紛れもなく企業がもつ商品サービスであり、商品サービスの価値と等価交換で社会やお客様から報酬をいただいていると思います。
では、企業様はどのように自社の商品サービスに対して値付けをしているのでしょうか?
私が考える商品サービスへの値付け方法は4パターンあると思っています。4P戦略がマーケティングミックスとしての考え方としてメジャーですが、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
①商品主義・・・商品のクオリティと与える付加価値に対して絶対的に譲れない値段(原価主義とも言える)
②顧客主義・・・顧客が商品サービスに対して、納得をした値段(極論は言い値)
③売上主義・・・企業の売上や利益目標の到達を優先して決める値段。
④競合主義・・・競合他社の値段、市場を価格を意識して決めていく値段
①商品主義
これは競合他社との違い、そして利用することによるメリットや課題解決後のイメージを言語化できることを前提とした値付けです。与える価値が大きくクオリティが高いという絶対的な自信があれば、それに見合う値付けをすることができます。別の視点では、作業工数や原材料の品質、原価を計算した上で「これだけの価値はある」と判断する点から原価主義とも言えることができます。
②顧客主義
これはお客様ニーズに合わせた商品を提案して、納得された値段を、売価にする値付けです。とくに無形商材の販売をする企業、スタートアップ企業に多いかと思います。我々のようなコンサルティングサービス,教育サービスなどが該当します。原価が多くかからないため粗利率をコントロールしやすく、お客様の予算感に合わせて提案できることがメリットです。一方標準価格の設定やパッケージ化ができないと売上が安定しない可能性があります。逆に言うと大きな報酬を得ることも可能です。
③売上主義
商品サービスのクオリティや付加価値に関係なく、自社の売上目標や利益目標を達成するために設定する値付けです。お客様のニーズを満たすかどうかが置き去りになってしまう傾向があります。キャッシュフローが安定しておらず会社を立て直そうとしている企業に多い傾向があります。
④競合主義
競合や市場価格に合わせて、値付けをする方法です。マーケティングにおける価格戦略として非常に重要ですが、何も考えず競合の金額だけを模倣してしまうケースもあるので、競合の価格を意識しつつ①の商品主義の考え方でも値付けをしなければいけません。
ここまで4つのパターンを紹介しましたが、これらをさらに2つの思考パターンに分類ができます。
1つが利益意識、2つめが価値意識です。
ここでいう価値とは提供することによって社会や企業の問題が解決される力の大きさです。
私は4パターンを以下のように分類しました。
利益意識も価値意識も高い値付けが商品主義です。逆に利益意識も価値意識も低いのは競合主義の値付けだと考えています。
誤解を招かないように言うと競合主義だけの発想で値付けをすると思考停止になります。まずは競合の分析を行った上で、自分たちの利益を考えたり、そもそもの付加価値や原価主義を織り交ぜて考えなくてはならないと思います。与える価値も明確ではなく、差別化もできていない状態で競合価格にだけ合わせても、お客様からは選べれないからです。
私が考える正しい商品サービスの値付けの発想としては以下の順序で考えるといいのではないかと思います。
競合主義→顧客主義→商品主義
この順番です。
売上主義はなるべくならやめたほうがいいです。ビジネスは与えたものが得たものという原理原則があり、得ようという発想が中心にくると、余計に難しいです。マーケットインであくまでお客様にどんな価値が与えられるかを考えるべきです。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございます。