こんにちは
株式会社東京コンサルティングファームの小林です。
今回は、マニュアル化について述べていきたいと思います。
当社でもすべての業務をマニュアル化するという取り組みを行っていますが、なかなかうまくいかない部分もたくさんありました。
最初に良いマニュアルとは何なのかを考えてみたいと思います。
哲学的なお話になりますが、良いものが良いとされるのは、基本的には合目的的(目的に沿っている状態)であるからと言えます。
つまり良いマニュアルは、マニュアルの目的に沿っているということです。
ですので、良いものかどうか論じる前に、マニュアルの目的を考える必要があります。
目的としては、
- 新人やその仕事の未経験者がそれを見て仕事ができるようになる
- それに沿って仕事を行うことでミスや問題が起きない
- 生産性が上がる、成果が上がる
という3点が代表的なものと考えられます。
これらの目的に沿うマニュアルを考えて作ると、よいマニュアルになるということになります。
①の目的に照らせば、やったことのない人間でも理解して業務遂行できるということですから、やったことしかわからない専門用語が何の解説もなく記載されているものはよいものとは言えません。
また、新人の教育にとって最も重要なものは、ここでもやはりその「目的」ということになります。
最初のその仕事の目的は何かという全体観を説明する内容であることが望ましいでしょう。
全体観なので、その仕事だけでなく前後の関係や、誰に影響が及ぶのか、それ通りやらないとどういう問題が起きるのかといった点も網羅されるべきです。
また、わかりやすいものにするという観点から、テキストだけではなく適宜図や画像なども用いるのも良いマニュアル作りには必要です。
最近では動画によるマニュアルも多くの企業が作成しています。
②の目的に照らすとどうでしょうか?ミスや問題が起きる際には、必ずその原因が存在します。
その原因の部分をポイントとして挙げて、そこに必ず注意を向けさせることが必要になります。
色付けや太字、下線などの文字装飾で注意させるようにしましょう。
③については、これが最も忘れられがちになりますが、マニュアルを使うことで会社としてのメリットがしっかり出るということが重要です。
そして、この目的を果たすためには、マニュアル自体に最も生産性が高くなる、もしくは成果が上がる仕事のやり方が記載されている必要があります。
ここはいわゆる仕事のコツ・勘所といった部分になるのですが、これが言語化されるということが重要です。
その仕事を経験したことがある人にとっても、今以上に成果が出たり効率が上がったりするやり方が書いてあれば、参考にしようというものになるでしょう。
そして、それを実現するためにはその仕事においてうまくやっている人の仕事のやり方を組み込んでいくことがポイントになります。
以上をまとめると、
- 専門用語は必ず解説する
- 仕事の目的・前後の関係などの全体観を記載する
- わかりやすくするために図・画像・動画などを活用する
- ミスや問題が起きやすいポイントをピックアップして注意をひく
- うまくやっている人の仕事のやり方を組み込む
こうしたことがよいマニュアル作りには必要になるわけです。
それ以外にも、
- 作成日・作成責任者・バージョン情報を明記
- どの部門のどの業務に関するものなのかのタイトルをわかりやすくする
- 職種・職位ごとにマニュアルの保管場所をまとめる
といったことも細かいですが、大切になります。
さらには、普段その仕事をやらない人にマニュアルを見てもらって、わかりやすさや改善点などをフィードバックしてもらうのもいいでしょう。
さて、ここまで良いマニュアルの作り方について考えてきました。
しかし、マニュアルは作って終わりではありません。
使われてなんぼですね。
次回は、マニュアルが継続的に使われるようにするためにはどうすればよいかを考えていきたいと思います。
以上、お読みいただきありがとうございます。