ミドルマネジメントの仕組み化③

こんにちは、
株式会社東京コンサルティングファームの小林です。

 

前回は、ミドルマネジメントの大きな2つの役割と、2番目の戦略の実行をトップに伝達するという役割について考えました。

今回はこの2つ目の役割を果たすうえで重要な、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)についてもう少し掘り下げていきたいと思います。

 

いずれも数値目標ですが、会社によってより重要なものは、KGIの方になります。
こちらが会社にとっての本当の意味での成果であり、売上・利益といった、会社を発展・存続させるのに必要なものになります。

 

しかし、KGIだけを追うということは基本的にはできません。
売上を上げろ!という号令だけで売上が上がれば、これほど楽なことはないですが、それは至難の業です。

そこで、売上を上げるためには何が必要かを考え、それを数値化したものが、KPIとなります。

 

ここで少し会計的なお話をしますが、KGIは財務数値、KPIは財務ではない指標になります。

KGIは直接コントロールできないということは上述の通りで、非財務のKPIが管理可能であり、それを達成することでKGIが達成されるであろうという仮説を作るわけです。

KGIである、売上・利益目標はどう導き出せばよいのでしょうか?もちろん中期事業計画などの目標がすでにあるのであれば、その数値を目標に設定するということになります。

 

事業計画がない場合は、BS(貸借対照表)からのアプローチで設定することも有効です。

つまり、いくらのキャッシュを稼ぐべきか?もしくは、いくら借入の返済を行いたいか?これが必要な利益の額になります。
そこから固定費・変動費を逆算することによって、必要な売上が求められます(下記の式参照)。


(必要利益+固定費)÷粗利率=必要売上

または

(必要利益+固定費)÷(1-変動比率)=必要売上


 

そして、この必要売上の実現可能性を再度検討し、ある程度現実味のある売上予算を策定します。

ここでポイントですが、必要利益→必要売上 というところに出てきた、

  1. 固定費
  2. 粗利率(または変動比率)

の2つの指標もKPIを策定するために重要なものとなります。

 

つまり、固定費の削減、もしくは粗利率の改善(=変動比率の削減)ができれば、そこまで多くの売上を上げなくても利益を出すことが可能になります。

 

このように、利益から逆算すると

  1. 売上高
  2. 粗利率(変動比率)
  3. 固定費額

の3つをそれぞれ改善すると、会社にとっては良いということになります。

 

変動比率を下げるために、それまで外注していたものを内製にするということが考えられますが、その場合固定費額が上がってしまいます。

また、売上を高めるとしても、広告宣伝費やマーケティング費用、営業マンの人件費などの固定費の上昇が必要になるかもしれません。

 

このように3つのポイントのうち、どこをどう改善するかというのはケースバイケースなので、ここで仮説を立てて、どれを改善すればよいのか?を見極めていくことになります。

 

仮にやはり売上アップが重要だと考えた場合、ここからKPIに落とし込むためのステップがありますが、今回はここまでにしたいと思います。

 

次回は、KPIはどう決めるべきかを考えていきます。

以上、お読みいただきありがとうございます。

 


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株式会社東京コンサルティングファーム

小林 祐介

 

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