トップマネジメントの仕組み化②

こんにちは
株式会社東京コンサルティングファームの小林です。

前回は、トップマネジメントの役割とそれを仕組みとして作っていくためのポイントについて解説しました。

前回も、ここの部分の仕組み化が一番難しいと述べましたが、その理由として「イノベーション」を起こすという役割がトップマネジメントには求められるというのがあります。

 

イノベーションというと、生物でいうところの突然変異のようなものだと考えてしまう人は多いのではないでしょうか?
もしくは、天才のひらめきや偶然の産物といったものだと思う方もいるかもしれません。

しかし、イノベーションというのは会社が永続する上で必ず求められる要素であり、それが起きる仕組み化というのは実現可能だと考えるべきだと私は思います。

 

イノベーションが起こるタイミングというのは、大きく分けて2つあります。

1つ目は、数十年ごとの大きな環境変化が起こるイノベーション。
そして2つ目は、継続的に発生する改良型のイノベーションです。

 

1つ目のイノベーションは、それ自体が大きな破壊力を持っているのですが、それが自社でできるかというと、環境要因的なものもあり、これ自体を意図的に起こす仕組みにしていくのは実際には難しいと考えられます。

 

しかし、2つ目のイノベーションである継続的な改良を引き起こしていくことは、どの会社でも可能です。そして多くの場合、1つ目の突然変異的イノベーションは、2つ目の連続的なイノベーションがの積み重ねによってある時起こるということが実証されています。

これは、大きな変化を起こすための準備が小さな変化を繰りかえすことによって行われているという風に考えられます。

 

つまり、一発逆転の一大イノベーションを起こすのではなく、日頃からの小さなイノベーションを実現する組織作りが重要になるということになります。

では、どうすればそれが可能になるのでしょうか?

 

ポイントは、目標設定にあります。目標というと、例えば前年の5%アップ、10%アップという予算を立てる会社が多いと思いますが、これくらいの目標であれば現状から少し頑張れば、もしくは景気次第では実現できてしまうものです。

つまり、今と全く同じ行動を取っていても達成できる目標になっているということです。

 

イノベーションを連続的に起こすというのは、裏返すと、今とは同じ行動を取り続けないということになるので、今のままでは達成できない目標を立てることが肝要になります。

 

例えば売上や利益を2倍とする目標などです。
しかし、これがもし達成されなかったとしても、責任者や担当者にマイナス評価を付ける必要はありません。

2倍にすることを本気で考え、今のやり方より良いものに変えようとする姿勢が重要になります。
また、2倍の目標に本気でチャレンジすれば、多くの場合今期以上の結果にはつながります。

 

ここで注意しなければならないのが、2倍という目標をせせら笑う風潮にしないということです。

本気で2倍を目指す。
そのためにできることは何でもやる。

こうした姿勢をトップ自身が打ち出し、少なくとも会社のマネジメント層がそこに一丸で取り組むところを見せていなければなりません。

 

これを続けると、チャレンジする文化が社内に根付き、「できない」「時間がない」といった言い訳は少なくなり、「どうすればやれるか?」を考える社風が、イノベーションの源泉になるのです。

 

今回はトップマネジメントの仕組み化として、イノベーションが起こる組織を考えました。
次回で、本シリーズも最終回です。トップ自身が後進に超えられることを心から望めるか?について述べたいと思います。

以上、お読みいただきありがとうございます。

 


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株式会社東京コンサルティングファーム

小林 祐介

 

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