「経営に関する4つの視点:社長は外を見ろ!」

経営は4つの視点で考えることが重要であり、その具体的な視点として、【財務の視点】、【顧客の視点】、【プロセスの視点】、【組織の視点】を順次説明していきます。前回までで、【財務の視点】の説明をしましたので、今週からは【顧客の視点】に移っていきたいと思います。

 

【顧客の視点】

  • 社長は外を見ろ!
  • 利益感度分析
  • PPMとアンゾフマトリックス
  • 海外進出か国内差別化か。

 

顧客の視点は上記の4つに分けて、説明していきたいと考えています。今週は順番通りに①社長は外を見ろ!の説明となります。

二代目以降の社長がよく言われることの一つとして、「二代目以降は保守的になり、社内改善ばかりに注視しがちになる」というのがあげられます。

確かにそうなっている会社のケースは多く見受けられます。この原因というものは、初代の創業社長は、ゼロから自分の力で立ち上げていき、会社の成長過程ともに自らも成長し、年を重ねてきて、会社のすべてを知るとともに、いかに顧客の創造が難しく、そこに注力するべきかを肌感覚で分かっているものだからだと推測できます。ドラッガー曰く、「企業の目的は顧客の創造」というほど、売上にこだわってきている節があります。

しかしながら、二代目以降は会社がある程度出来上がって、企業の成熟期に代替わりが行われることが多く、また初代の創業者が常識的な範疇を超え、無理難題を社員に押し付けてきたように見えるから、そうはなりたくないとある種反面教師的な存在として、初代をとらえてしまいがちになるものなのです。そして、往々にして初代は外ばかりに目を向けているので、中の管理体制が整っておらず、制度が構築されていない現状を見て、二代目以降が中の改善に走ることが多いのです。

 

ここが大きな罠になります。

 

ここで陥ることの多くを、一倉定先生の「経営心得」には記載されています。一言でいうなら、「社長は外を見ろ!」です。この言葉の意味は、売上という骨格を減らすことなく、顧客創造の難しさを真摯にとらえ、変化する顧客のウォンツを常に敏感に察知する必要があるということを主張しています。初代はこれを本能的に理解して、新規開拓に力を注ぐことができ、新規事業の立ち上げなどにも注力することができるのです。

しかしながら、二代目以降は無理難題を課す先代のやり方は間違っていると感じ、社内融和や社員主義的傾向に走り、新規事業の重要性は低く、現状の顧客との関係性を深める戦略を取り、新規開拓に一切手を付けないニッチな環境を良かれと感じ、傷つくことや、損失することに非常にネガティブになり、売上を作っていくというよりかは、利益をいかに効率よく出せるかの論点に陥ってしまうのです。そして、その結果の多くは新しい投資がないままに、商品や製品の売上が競合他社に負け、イノベーションが起こることはなく、変化することも億劫となる組織文化がはびこり、衰退期に入ってしまうのです。そして、気が付いた時には時すでに遅く、会社をたたむか、売却するほかない選択を迫られるようになるのです。

 

そうならないように、社長は常に外を見る必要があるのです。


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