こんにちは、東京コンサルティング、インドネシア駐在員の須田です。
今回は前回に引き続き、インドネシアの最低賃金について触れていこうと思います。
インドネシアでの最低賃金の算出方法についてですが、これまで労使交渉をもとに州政府が最終決定していましたが、政令2015年第78号(2015年10月23日付)により、最低賃金上昇率は「経済成長率+インフレ率」をベースに算出されるよう規定されました。これにより、経済成長率やインフレ率を下回る収益力しかない企業は、急激な人件費増加に耐えられず倒産や閉鎖が相次ぎ、大量の解雇も実施されました。また、景気変動に左右されにくい業界の企業もこれによるダメージは大きいとみられます。このことから、インドネシア政府は企業活動や経営者の意向よりも労働者の金銭的支援を重視していると感じざるをえませんが、国民に景気の成長を実感させ継続的に内需を維持させようする政府の意図がうかがえます。
以上です。