公開会社買付規制②義務的公開買付制度

法務

 

こんにちは。

PT. Tokyo Consulting(東京コンサルティンググループ)です。

今回はインドネシアの公開会社買付規制の義務的公開買付制度について記載致します。

 

義務的公開買付とは、企業買収に当たって、情報の適切な開示と、株主間の平等(公平な売却機会)を確保するための制度であり、

公開会社の支配に変更が生ずるときには公開買付が義務付けられるという制度です。

義務的公開買付が適用された場合、OJK Rule IX.H.1が定める枠組みに従わなければならず、

任意公開買付を規定するOJK Rule IX.F.1は適用されません。

公開会社の支配は「その会社の50%以上の株式を保有しているか、会社の管理・方針を、

いかなる方法によるものであっても、直接または間接的に決定できる場合」と定義されます。

ただし、以下の場合は公開買付の義務を負いません。

・株式を当該株主と新しい支配者がともに取得する場合
・第三の当事者が保有する株式で、新しい支配者から同じ条件でオファーを受けた場合
・第三の当事者が株式を保有している企業で、その企業の株式に対して同時に義務的公開買付および任意公開買付を行う場合
・大株主によって保有されている株式(直接および間接的に20%以上)
・他の支配者が保有する株式

[概要]
新たに支配を獲得した株主は、支配獲得後1営業日以内に下記の情報を公表し、新聞広告及び資本市場・金融機関監督庁に次の事項について報告を行う必要があります。
・株式の獲得数および株式保有数
・買付者に関する情報(氏名、住所、電話番号、事業内容など)
・支配獲得後の目的

また、新たに支配株主になった者は、上記の報告に加え他の株主が保有する株式について、

公開買付を実施しなければなりません。(ただし、①新たに支配株主になった者と個別に株式譲渡の合意をしている株主、

➁新たに支配株主となった者から同一の条件で個別に株式購入の申し出を受けている株主、

➂同時期に株式公開買付を行っている株主、④法定の要件を満たす主要株主及び➄他の支配株主を除く。

そして、資本市場監督庁から強制公開買付届出書の公表を許可する旨の通知書を受領した後、

2営業日以内に全国紙の新聞上において公表し、公表の翌日から30日間の強制公開買付期間が開始されます。

公開買付期間終了後、12日以内に決済を完了させ、決済完了後5営業日以内に

資本市場監督庁に対して強制公開買付報告書を提出しなくてはなりません。

公開買付の結果、公開会社の資本金の80%以上を支配株主が取得した場合、最低20%を市場に返還する義務があり、

公開買付終了から2年以内に80%を超えて保有する株式については第三者に譲渡し、

最低300名の株主によって保有されている状況に戻さなければなりません(フリーフロート規制)。

[公開買付価格]
強制公開買付けにおける株式の買付け価格は、①支配権の移転が生じた株式取得の公表日前90日間の各取引日の

もっとも高い市場価格の平均値又は➁支配権の移転が生じた株式取得における株式取得価格、のいずれか高い方の価格に設定しなければなりません。

■情報開示
義務的公開買付を規定するOJK RuleI X.H.1では、取得者は買収に係る売り手株主の情報や機密情報を、

交渉中に公開することを許可しています。

取得者が開示を選択する場合、最低1日以上、インドネシア語の新聞で公表され、ターゲット企業、

OJK、ターゲット企業が上場する取引所に提出されます。その後、取得者は、実行から2営業日以内に獲得の延長や終了を含む進捗状況の開示義務を果たさなければなりません。

開示義務のある情報は、以下のとおりです。

・取得予定の株式の額
・取得者の個人情報(氏名、住所、電話番号、事業形態、取得の目的)
・取得者によって既に取得済みの証券の額(ある場合)
・獲得の目的達成のための計画
・交渉の方法とプロセス
・交渉の内容

しかし、交渉段階では買収計画について公表する義務はありません。

取得者が開示しないことを選択する場合は、取引が完了するまですべての交渉に係る情報機密は維持されます。

なお、獲得完了後、以下の情報を開示する義務があります。

・取得した株式の額、株式の保有権
・当事者の個人情報(氏名、住所、電話番号、事業形態、取得の目的)
・取得者が組織であるという旨(該当する場合のみ)

 

以上、ご参考になれば幸いです。

 

 

PT. Tokyo Consulting

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