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東京コンサルティンググループ、インドネシア法人にて勤務しております、内野能活です。
今回は「労働基準」についてです。
■インドネシア労働法の労働基準
インドネシアの労働法の特徴は、日本と比べて残業や休日出勤、女性労働者の保護等が細かく規定され、各水準が比較的高く保たれていることです。
現地労働者の労務管理を円滑に行っていくために忘れてはならないのが宗教関係の規定です。
インドネシア人の約9割がイスラム教徒のため、たとえば1日5回の礼拝の休憩時間や、礼拝のためのレバラン休暇をきちんと与えない場合には、ストライキを起こしたり、突然退職をしてしまうこともあります。
そのため、事前にイスラム文化を理解した上で、就業規則や雇用契約書を作成することが大切です。
賃金に関しては、インドネシアも日本と同様に最低賃金に関する規定があります。
インドネシアでは、固定的な手当を含めた基本給の金額が、その地域の最低賃金を下回ってはなりません。
就業時間に関して、日本では1日8時間、週40時間という法定労働時間の大枠が規定されています。
一方インドネシアでは1日8時間以内、週40時間以内が一般的となっていますが、週5日の場合には1日8時間以内または週40時間以内、週6日の場合には1日7時間以内または週40時間以内のいずれかを選択をすることができます。
法定労働時間を超えて労働させる場合には、労働者の同意を得た上で、1日3時間以内、週14時間以内で残業をさせることができます。
法定労働時間を超えた労働および休日や祝祭日の労働に対する割増賃金については、月の賃金の173分の1を1時間当たりの基礎賃金として算出します。
インドネシアの割増賃金は、平常の労働日に行われた時間外労働の場合は、時間外労働開始から1時間は同基礎賃金の1.5倍、2時間以降は1時間当たり2倍の時間外労働賃金を支給します。
休日や祝祭日の労働には、労働時間を3段階に分け、それぞれ1時間当たり基礎賃金の2~4倍を支給するよう規定されています
(2004年残業時間と残業手当に関する労働移住大臣決定書第102号)。
有給休暇は日本の場合、勤務月数によって付与される日数が法定の基準として決まっており、付与の条件として上記期間の出勤日数が8割以上であることが法定されています。また、勤務時間、勤務日数が正社員以外のアルバイト、パートについては、その契約に応じた比例付与の制度があります。
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内野能活