インドネシアの労働争議について

労務

みなさん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、インドネシアオフィスの長澤です。
今週は、インドネシアの労働争議についてです。

インドネシアは労働法が厳しいということもあり、労務管理上、ストライキや労働組合の活動に関する管理については十分留意が必要です。今回はその中でもよくある事例を2つ取り上げました。

◆違法ストライキについて
法定で定められている事前の告知なく労働争議(違法スト)を起こした労働者に対して停職処分及び解雇処分を行ったところ、本人及び労働組合による提訴が行われました。この場合、注意すべき点は何だったでしょうか。

論点①本当に違法ストであったか?
⇒ストライキではなく、経営側との対話の機会を求める活動であるか

論点②ストの違法性、影響の立証
⇒ストが違法である、重大な過ちであるとの立証責任は経営側にある

論点③処分の妥当性
⇒違法性、影響等と比較して処分に妥当性がない場合には労使関係裁判所による取り消しが下させる

◆労働組合活動について
企業の繁忙期等に労働組合活動への参加を理由に遅刻、欠勤等を繰り返す社員を異動、解雇等行ったところ、処分への提訴が行われた。この場合、注意すべき点は何だったでしょうか。

論点①遅刻、欠勤の理由をしっかりと把握していたか
⇒言語面の問題から遅刻、欠勤理由等を把握せずに処分を下していないか

論点②組合活動参加の証明の確認
⇒疑わしい場合には組合活動参加の証明を提出させるなどの対応を取っているか

論点③処分の妥当性
⇒労働組合活動を理由に遅刻、欠勤等があったが一部虚偽の報告等があった場合でも、第1警告書の提示から行っているか

複雑かつ労働者有利と言われるインドネシアの労働法ですが、最低限の労働法への理解、宗教上への理解をもつことで現地の労務管理をスムーズに行うことが出来ます。その他個別具体的な件でのお悩みがありましたらぜひお気兼ねなくご連絡下さい。

以上

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