東京コンサルティングの徳田です。
「百金を惜しみて敵の情を知らざるは、不仁の至りなり。」(『孫子』用間篇)
自衛隊生徒の頃の話。
当直についていたある日の夜、大河ドラマを当直室で観ていました。
大河ドラマは戦国時代と幕末が交互に取り上げられますが、確か山内一豊を取り上げたものだったと思います。一豊は信長を何等かの理由で追いかけていました。
突然、当直幹部だったH1尉が私に、「いまの時代に信長から学ぶべきは何だ?」と聞いてきました。
少し考えたあと、「え~っと、革新性・・・ですかね?」と答えました。
するとH1尉は、「それもあるけど、俺が一番大切だと思うのはな、『情報』だよ」と仰っていました。
確かに信長は、誰よりも情報の重要性を理解していました。
例えば桶狭間の戦いの際、今川義元の首を取った者よりも、義元がどこに布陣しており、どういう状態なのかを知らせたスパイを最高の功労者としています。
というのも当時、義元は大軍の本隊とは離れた場所で、少人数で休息を取っており、また酒宴を開いていたといいます。そこを一点集中、信長の全軍が奇襲したことが勝利の最大の要因である。したがって、かかる情報をもたらしたことが勝利のために最も貢献したと言えるからです。
「一番大切だと思うのはな、『情報』だよ。」
この言葉は、後の人生で何度も反芻されます。