みなさんの会社で、「理想の売上高経常利益率」はどのくらいが妥当かと聞かれたらどのように答えますか?パッと答えは出るでしょうか?
ひとつの目安として「業界の粗利益率(もしくは自社の粗利益率)×0.2」と答えるができます。さあ、それは何故でしょうか?
今回はその答えを、順を追って考えていきたいと思います。
では、はじめに次のグラフをご覧ください。縦軸が売上高、横軸が売上数量とします。
まず、損益分岐点比率の確認です。損益分岐点は、利益が出るか出ないかの境目であり、粗利=固定費になる点です(少し大雑把ですが・・)。このグラフではAの点になります。
そして、一般的に損益分岐点比率は80%が理想と言われているので、理想の売上高(点C)が10だとすると損益分岐点売上高(点A)は8となります。そして、この差の部分(10-8=2)が「経営安全率」という数字になります。つまり、理想の経営安全率は20%ということですね(更に高いことに越したことはありませんが・・。)
つぎに、「粗利」について考えます。どこの部分が粗利を表すかというと、「売上-変動費」のところ、つまり損益分岐点でいえはAB、理想の売上で言えばCDの線分になります。
最後に「経常利益」について考えます。これは「売上-変動費-固定費」で、CEの線分になります(損益分岐点売上ではゼロ)。
さあ、いよいよ答えに迫ってまいりました。「理想の売上高経常利益率」が「粗利益率×0.2」になることが見えてきましたか?
答えまであと一歩のところですが、解説の続きは次回に回したいと思います。