「翻訳・通訳」の正確さ

こんにちは、ブログ初登場の東京本社 中国弁護士 呼和塔拉です。

今後、中国の法制度・実務について、ブログを更新していきますので、ご興味があれば、是非ご一読いただければと思います。

 

第1回の本日は、まず私が仕事において常に意識している、「通訳・翻訳の正確さ(質)」の重要性についてお話しさせて頂きます。

 

何年か前に、日本の法律事務所のアシスタントとして働いていたことがあり、中国人が被告の刑事事件で、弁護士(日本の)の先生について行き、法廷傍聴した事がありました。

 

外国人の被告人には、必ず法廷通訳が付きます。以下、そこでのやり取りです。

 

  「盗品等有償譲受罪

 ・・・裁判官:「盗品と知りながら、譲り受けたのですか?」

    被告人:「あの人はヤクザですから、買うしかなかった。」

    法廷通訳:「あの人は、会社役員のような人で、買うしかなかった」・・・

 

  (傍聴していた私の心の声:「ヤクザ!!!⇒役員???」

     量刑に関わる内容なのに、こんな誤訳がされるなんて・・・)

 

窃盗罪

・・・検察官:「あなたはいつか国に帰ると思ったのですか?」

   法廷通訳:「あなたいつ国に帰ると思ったのですか?」

   被告人:「思わなかった。」

 

  (私:「いつ…」「いつか…」、意味がぜんぜん違う・・)

 

法廷通訳の方、もう少しなんとかなりませんかね!?

 

さて上記は、極端な話ですが、日系企業向けの法務実務の中でも、契約書の日本語版、中国語版の記述が一致しておらずにトラブルに発展する場合や、通訳が違ったニュアンスで伝えた事で、交渉がうまく行かない場合も多々あります。

 

法律知識や業務スキル以前の話ですが、まずは日本語、中国語を正しく理解して、法律文書を正確に作成できる事が、中国法務の基本中の基本であると考えます。

 

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