個人情報及び重要データの国外への持ち出しについて

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q,

企業データの国外への持ち出しが許可制になるとの話を聞きました。詳細を教えてください。

 

A,

個人情報及び重要データ国外持出安全評価弁法(中国語:个人信息和重要数据出境安全评估办法)発表されました。(意見募集期間:2017 年4 月11 日~2017 年5 月11 日)

本規制案の根拠は、「中華人民共和国国家安全法(中华人民共和国国家安全法)」及び「中華人民共和国中華人民共和国ネット安全法(中华人民共和国网络安全法)」です。

 

本規制案は、中国で収集された個人情報の保護を目的とするものであり、ネット運営者が中国国内における運営において収集し作成した個人情報及び重要データは国内で保存しなければならないとし、海外に提供をする場合には本弁法に基づいた安全評価を行わなければならないとしています。

 

本規制案によると、下記の条件のデータを持ち出す際には、関連機関への報告を義務付けています。

①50 万人以上の個人情報を含む場合

②データが1000GB を超える場合

③核施設、化学生物、国防軍事、人口健康等の分野のデータや、大型プロジェクト、海洋地理及び重要な地理情報データ等

④重要な情報インフラのシステムの抜け穴やセキュリティ対策等のネットセキュリティ情報を含む場合

⑤重要な情報インフラの運営者が国外に向けて個人情報及び重要データを提供する場合

⑥その他の国家安全及び公共利益に影響しうる場合で、主管部門が評価をすべきと判断した場合

 

本規制案では、外国の情報処理サービス業者に情報提供を行うような場合のみならず、外資企業による外国親会社への報告等にも影響する可能性があります。現状は意見募集稿の段階となっておりますが、今後の動向に注目が必要です。

 

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