「住所を有する個人」の定義について Q&A

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

Q, 中国所得税法第1条の中に「住所を有する個人」という言葉が出てきますが、居住届を出した時点で住所を有することになるのでしょうか。

A,
上記質問は、中国の個人所得税の納税義務者の要件で悩まれているのだと思います。
中国における、個人所得税の範囲は下記の表のように分類されます。

要件

中国国内源泉所得

中国国外源泉所得

中国国内組織支払
または負担

中国国外組織支払かつ負担

中国国内組織支払または負担

中国国外組織支払
かつ負担

国内に住所を有する者

課税

課税

課税

課税

国内に住所を有さないが、
中国国内の居住期間が
5年超の者(居住者)

課税

課税

課税

課税

国内に住所を有さないが、
中国国内の居住期間が
1年以上5年以下の者(居住者)

課税

課税

課税

課税なし

中国国内の居住期間が
1年未満の者(非居住者)

課税

日中租税条約が規定する一定の要件を満たす短期滞在者に関しては免税

課税なし

課税なし

ここで、国内に住所を有するとはどういったことかという疑問が生じます。

実施条例第2条で、「中国国内に住所を有するとは、戸籍、家庭、経済的利益の為に中国国内に習慣的に居住する個人」と規定されております。

この習慣的に居住する個人というのが少しわかりにくい定義となっております。

税務実務上は、国籍とほぼ同様の定義で処理されており、
居住届を出すだけでは住所を有することにはなりません。

したがって、一般的な日本人であれば、課税範囲は居住期間で判断すればよいと思われます。

 

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