外商投資産業指導目録2017年改訂版の施行

こんにちは、中国・上海の田中竜一です。

引き続き、外商投資産業指導目録2017年改訂版についてお伝えします。

 

 前回の記事では、改訂された外商投資産業指導目録の内容について、その主なポイントを3つ挙げて説明しました。今回は、改訂版の目録を参照するにあたって、改正前の2015年版と比較しながら、留意すべき事項を紹介します。

 

 1点目は、規制産業に関する解釈です。目録自体は外商投資企業に対する特別措置を定めたものであるため、国内企業と同様の扱いになっている場合は、規制産業であっても目録には記載されていません。例えば、「ゴルフ場や別荘の建設」は、2015年版目録では禁止されていましたが、2017年版目録では禁止産業の項目から削除されています。これは、ゴルフ場の建設が規制の対象から外れたのではなく、国内企業と同様のルールによって管理されるようになったことを意味しています。

 

 2点目は、奨励産業と規制産業の重複についてです。一部の産業に関しては、奨励及び規制の両項目に記載されている項目もあります。例えば、「原子力発電所の建設及び経営」は、2017年版目録において、奨励産業の292項に記載があると同時に、制限産業の12項で規制の対象となっており、持分割合によって規定されています。奨励産業に記載されていたとしても、持分に対して制限がある場合が考えられますので、注意が必要です。

 

 今回の目録の改訂によって、奨励・制限・禁止産業における対象範囲の見直し、ネガティブリストの正式採用等の動きがあり、今後さらに外資を呼び込もうとする意図が見られます。ルールの変更や規則の厳格化に伴って、投資対象の産業がどの項目に該当するのか、あるいは改訂によってどのような変更があったのかをより確実に把握しておく必要があります。また、目録の改訂は定期的に行われるため、その変化にも注視していかなければなりません。

 

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