外商投資企業の外債借入について Q&A

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

 

Q, 海外親会社からの借入や海外の銀行からの借入のような外債借入が今年に入り、緩和されていると聞きました。具体的に教えてください。

 

A,

外債借入においては、「投注差方式」が採用されておりました。

これは、外債借入を行う場合は、総投資と資本金の差額の範囲内でしか外貨債務登記を行う事ができないというものです。

結果として、外債借入(厳密には、短期借入残高と中長期借入累計額の合計)は、総投資と資本金の差額の範囲内(投注差)に制限されておりました。

 

これに対し、『全国における全範囲クロスボーダー融資のマクロプルーデンス管理実施に関する通知』を公布し、全国においてマクロプルーデンス方式の外債管理を実施することができるようになりました。これは2016年5月3日より施工されております。

本通知が公布される以前は、一部の金融機関及び一部の地域(上海・広東・天津・福建の4自由貿易試験区内)においてのみ、マクロプルーデンス方式が許可されておりました(銀発[2016]18 号)。本通知は、これを全国版に拡大したものです。

 

これにより、自由貿易試験区外の企業(非金融類のみ)も純資産の1倍まで人民元・外貨外債の借入が可能になりました。

 

企業は投注差方式とマクロプルーデンス方式のどちらを採用するかを選ぶことができます。

 

マクロプルーデンス方式における、具体的な借入上限の計算は下記のとおりです。

 

【借入額】

企業の純資産額を基準に計算される上限額まで外債(人民元・外貨とも)を調達可能となります。外債残高計算式の要素として、期限・種類・為替のリスク因数が設定されており、明細に応じて残高を計算し、その合計額が外債残高となります。

 

◆クロスボーダー融資リスク加重残高上限 =

企業の純資産額 × レバレッジ率 × マクロプルーデンス政策因数

※  因数は図1を参照ください。

〈図1〉

 

 

  国外調達資金の残高額には、純粋な国外資金調達額ではなく、調達額をリスク因数で乗じた金額(クロスボーダー融資リスク加重残高)が計上されます。リスク因数には、期限リスク転換因数、類別リスク転換因数、為替リスク換算因数があります。

◆クロスボーダー融資リスク加重残高 =

人民元・外貨クロスボーダー融資残高 × 期限リスク × 類別リスク

 + 外貨クロスボーダー融資残高 × 為替リスク

※  リスク因数は図2を参照ください。

       〈図2〉

リスク因数

リスク区分

数値

期限リスク転換因数

中長期(1年超)

1

短期(1年以下)

1.5

類別リスク転換因数

オンバランス融資

1

オフバランス融資

1

為替リスク転換因数

 

0.5

 

例)

10万ドルの資金を短期外債(期限1年以下)として借り入れた場合。

10万ドル×1.5(期限リスク)×1(類別リスク)+10万ドル×0.5(為替リスク)

 = 20万ドル

結果 : 20万ドルがクロスボーダー融資残高として計上されます。

 

最後に、調達する国外資金には、残高に計上される資金と計上されない資金があります。

下記に、一覧表を記載いたしますので、ご確認ください。

 

 

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