こんにちは、中国・上海の安孫子 悠治 (アビコ ユウジ)です。
今日は中国の企業所得税における控除可能額についてお話しします。
控除可能額とは収入に関連する合理的な支出額を指し、日本の法人税における「損金」に該当します。
利益配当や企業所得税自体の支出は控除可能額に含めることはできないことは以前の記事でもお話ししましたが、他にも含むことのできない支出があります。
その一つが延滞税であり、ペナルティーに対する支出は損金計上不可となっています。同様の理由により、罰科金及び財産没収による損失も損金に計上することができません。
また、一般寄付金も収入との関連性の乏しさから、損金に含めることができません。同様の理由で賛助支出も損金として認められていません。
では、控除可能額として計上できるのはどの支出なのか?
下記の項目が損金として計上可能です。
1, 公益性寄付金支出…当該年度利益総額の12%まで損金計上可
2, 規定に基づいた費用を損金計上可
ex)減価償却費・償却費、長期前払費用の償却、棚卸資産の払出原価
3, 合理的な賃金給与支出…当該納税年度に支給する労働報酬を損金計上可
4, 福利厚生費…従業員に支払った福利厚生費のうち賃金総額の14%までは損金計上可
5, 従業員教育支出…賃金給与総額の2.5%まで損金計上可
超過分は次年度以降に繰越計上可
6, 借入金利息…通常の生産経営活動に伴う借入金利息は損金計上可
12ヵ月を超える開発・建設期間に発生する借入金利息に限り、関連資産の
減価償却費・売上原価として損金計上
7, 交際費支出…経営生産活動に係る交際費は発生額の60%まで損金計上可
また、当該年度売上(営業)収入0.5%を超えてはならない
8, 広告宣伝費支出…当該年度の売上(営業)収入の15%を限度に損金計上可
超過分は次年度以降に繰越計上可
9, リース料支出…オペレーティング・リース方式による固定資産のリース料支出は、賃金
期間で均等に損金計上
ファイナンス・リース方式では当該減価償却費を損金計上
10, 手数料及び支払コミッション…保険企業において当年度の保険料収入から要返還金額
を差し引いた額のうち損害保険企業は15%、生命保険
企業は10%損金計上可
それ以外の企業において仲介サービス機構または個人
と締結した契約書の収入金額のうち5%損金計上可
今日は以上です。
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