こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日も中国Q&Aについてお話します。
Q.中国進出を検討しております。日本で使っている会計システム(自社開発)は中国でも使えますか。
A. 条件を満たせば使うことができます。ただし、その条件を満たすことを証明する手続きは非常に煩雑であるため、現実的ではありません。中国現地ビジネスを小規模でスタートする場合等は、中国の会計ソフト(用友や金蝶等)を使うことをお勧めします。
一般的に、中国では財政局が認可している会計ソフトを使用します。認可されている会計ソフトは地域によって異なりますが、用友、金蝶や通用会計ソフト等が認可されています。認可されていない会計ソフトについては、条件を満たせば使用可能です。
【会計システムの使用条件】※一部抜粋
・会計ソフト会社は、使用会社の社員に対し教育、継続的なサポートを行う体制を整えている
・会計ソフト専用のコンピューターを設置しており、そのソフトを熟知している担当者がいる
・不正防止や権限設定等、厳格な制度を設けている
・操作記録の管理制度を設けている
・財政局に届出を行い、認可を得ている
・中国での表示・操作が前提である(追加機能として外国語表示等が可能)
※「会計電算化管理弁法」「会計計算ソフトの基本的機能の規範」より一部抜粋
ただし、財政局から認可を受けるのは、多くの時間を要します。小規模ビジネスから始めるのであれば、会計システム整備に投資するのではなく、まずは本業に投資することをお勧めします。その他、一部の企業(大規模な企業等)については、毎月財務局へ会計データ(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)の送付を求められます。その会計データ成果物は、地方によって細かいところでフォーマットが異なり、その調整にも時間を要します。システム投資とその効果を具体的に比較しながら、意思決定されるのが重要です。
以上です。