バングラデシュの治安問題

バングラデシュの首都ダッカにおける慢性的な交通渋滞問題に関しては以前にもご紹介させていただいたかと思います。しかし、そのダッカの渋滞が突然解消される日があります。それがハルタル(大規模な反政府運動)が実施される日です。

ハルタルの日は公共の交通機関も停止し、多くの商店も閉鎖されます。暴徒による走行中の車両への投石等を懸念して、自家用車の使用も自粛されます。バングラデシュでは年に数回行われるこのハルタルが、2012年4月には合計5日間にもわたって実施されました。

元々の原因は、最大野党のBNPのシレット支部長が何者かに誘拐されて行方不明になっている件に対し、政府への適正な捜査及び当人の保護を求めてのことでした。そのため、22日から始まったハルタルは24日まで計3日間にもわたって行われました。その後、BNPは政府に対し28日までの猶予を設けました。

今回の事件を政府による犯行と主張するBNPと、逆にBNPによる自作自演であると主張する政府側との対立は解決される事無く、最終的に29日と30日にもハルタルが実施されました。現時点でも支部長の行方は不明のままで、今後もハルタルが実施される可能性は否定できません。

ハルタルによる経済への影響は大きく、国内消費の落ち込みのみならず、海外からの投資も滞るなど、損失は無視できないものになります。ハルタルはバングラデシュへの出張を考える際にも考慮しなければならない要因の一つです。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

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