イスラム金融(1)

Islamic Bankers Association の2015年の報告によると、IFCI(Islamic Finance Country Index)において、バングラデシュは、ランキングされている45ヵ国中11位という結果に留まっている。そもそも、この評価基準には、イスラム金融を取り扱う銀行の数、シャリーア(イスラム法)に則ったイスラム金融商品の数、シャリーアを遵守する中央権力の存在、イスラム教徒の人口等がある。バングラデシュは、特に、イスラム金融商品の運用においてイスラム法に準拠しているかが不明瞭なため、このような評価結果になっていると言われている。ちなみに、1位はイラン、2位がマレーシア、3位にサウジアラビアと続き、2020年にもマレーシアがイランを抜かし、イスラム金融の最も盛んな国になっていくだろうと予測されている。

イスラム金融では、主にスクーク(イスラム債券)というシャリーアに則って発行される債券を使用するスキームでの取引を指す場合が多い。というのも、イスラム教では利子(リバー、資金の交換において異時点で違うレートを用い利益を上げること)の取り扱いが禁止されているため、利子という形ではなく、配当等で利益分配するようなスキームを取り入れたりする。また、シャリーアでは豚肉やアルコール、賭博、武器、ポルノといったものも禁止しているため、それに関連した取引について当スキームでビジネスを行うことはできない。

下記は、スクークの主なスキーム例。

 

・イジャーラ Ijarah:機械、自動車等のリース契約

・イスティナ Istina:プロジェクトファイナンス、工業製品調達契約

・ムラバハ Murabaha:商品転売契約

・ムダーラバ Mudarabah:パートナーシップ契約 等

 

次回のブログでは、スクークのスキームの中で一般的によく用いられるイジャーラについてご紹介させていただきたい。

 

 

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