皆さん、こんにちは!東京コンサルティンググループ バングラデシュ拠点の安倍史紘です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。今回は「バングラデシュBIDA統合|Invest Bangladesh始動」について説明いたします。

2026年8月、バングラデシュで投資関連業務を担ってきた3つの政府機関が統合され、新たな投資統括機関「Invest Bangladesh」が発足しました。対象となったのは以下の3機関です。

  • バングラデシュ投資開発庁(BIDA: Bangladesh Investment Development Authority) ― 国内一般投資の登録・許認可窓口
  • バングラデシュ経済特区庁(BEZA: Bangladesh Economic Zones Authority) ― 経済特区の開発・入居審査を担当
  • 官民パートナーシップ庁(PPPA: Public-Private Partnership Authority) ― PPP案件の承認プロセスを担当

根拠法となる「Invest Bangladesh Act, 2026」は、2026年7月9日の閣議(第12回会合)で草案が原則的・最終的に承認され、2026年8月20日に官報告示を通じて施行、8月下旬には正式に業務が開始されました(発足日については報道によって8月22日・23日など数日の幅がありますが、8月下旬に運用が始まった点は各メディアで一致しています)。

新機構は議長1名・委員7名から成る理事会によって運営され、初代議長にはAshik Chowdhury氏が就任しています。同氏は今回の統合について、単なる組織統合ではなく投資家を中心に政府の体制を再編成するものだと説明しています。

背景には、進出企業から長年寄せられていた「投資関連の政府窓口が複雑すぎる」という声があります。これまでは、案件の性質 ― 国内一般投資か、経済特区内投資か、PPP案件か ― によって申請先の機関が異なり、企業側が個別に窓口を使い分ける必要がありました。今回の統合は、この縦割り構造を解消することを目的としています。

Invest Bangladeshは、投資承認・登録、輸出入手続き、投資優遇措置の申請、経済特区への入居審査、PPP案件の承認手続きを、単一のデジタルプラットフォーム「BanglaBiz」に集約し、ワンストップ窓口化することを目指しています。

政府は主要な事業ライセンス・許認可について「14日間での発行」を目標として掲げていますが、この目標値が現時点で全ての許認可種別に一律適用されることまでは確認できておらず、対象となる「関連サービス」の具体的な範囲は今後の運用の中で明確化されていく見込みです。

報道によれば、統合後の政府側のコミットメント(窓口統合、システム移行など)の実行には180日間の移行期間が設定されているとされています。本稿執筆時点(2026年9月)はこの移行期間の初期から中盤にあたる段階とみられ、窓口・担当者の配置転換やシステム統合はなお進行中です。実務上は当面、申請先・必要書式・審査期間について、案件ごとに個別に確認しながら対応する必要があります。

既にBIDA・BEZA・PPPAへ投資登録や各種許認可を申請中の企業、あるいは過去に登録・許認可を取得済みの企業にとって、特に重要な論点は次の2点です。

【確認すべき2つの論点】

・既存の登録番号・許認可が、そのまま有効に引き継がれるか
・審査中の案件の担当窓口がどこに移るか

これらについて、本稿執筆時点で公式サイト等から詳細な移行手続きの案内は確認できておらず、個別案件についてはInvest Bangladeshへ直接照会いただくことをお勧めします。

経済特区への入居を検討中、または既に入居済みの企業は、用地リース契約や優遇税制の適用条件に関する担当窓口の変更を確認したうえで手続きを進める必要があります。PPP案件に関与している企業についても同様に、承認プロセスの窓口変更を確認することをお勧めします。

なお、新体制発足からまもなく、その実際の政策姿勢を占う動きも出ています。2026年9月20日には、現地フォワーダー業界団体(BAFFA: Bangladesh Freight Forwarders Association)がNBR(国税庁)に対し、外資100%出資企業への貨物フォワーディング業免許の付与を禁止するよう要請しましたが、Invest Bangladesh側はこれに反対し、外資100%企業の参入が効率性・透明性・競争を高めると表明しています。統合直後のこうした動きは、Invest Bangladeshが個別業種の外資規制を巡る政策論議にも積極的に関与し始めていることを示しており、他業種への投資・出資比率の拡大を検討する企業にとっても、同機構の今後の発言・方針表明は注視に値します。

よくある質問

Q. Invest Bangladeshとは何ですか?

A. 2026年8月に施行された「Invest Bangladesh Act, 2026」に基づき、バングラデシュ投資開発庁(BIDA)、バングラデシュ経済特区庁(BEZA)、官民パートナーシップ庁(PPPA)の3機関を統合して新設された、バングラデシュの投資関連業務を一元的に所管する政府機関です。

Q. 既存のBIDA登録番号やBEZAでの経済特区入居契約は無効になりますか?

A. 本稿執筆時点で、既存の登録・契約が自動的に失効するとの公式発表は確認できていません。ただし、担当窓口の変更等に伴う実務上の確認は必要と考えられるため、個別案件についてはInvest Bangladeshへ直接お問い合わせいただくことをお勧めします。

Q. 「14日間でのライセンス発行」はすべての許認可に適用されますか?

A. 政府は主要な事業ライセンス・許認可について14日間での発行を目標に掲げていますが、対象となる許認可の範囲や、全ての申請に一律適用されるかどうかは、本稿執筆時点で確認できていません。

Q. Invest Bangladeshへはどこから問い合わせできますか?

A. Invest Bangladeshは単一デジタルプラットフォーム「BanglaBiz」を通じた手続きの一本化を進めています。具体的な問い合わせ窓口は公式サイト(investbangladesh.gov.bd)でご確認いただくか、進出済みの場合は既存の担当者を通じてご確認いただくことをお勧めします。

まとめ

BIDA・BEZA・PPPAの統合による「Invest Bangladesh」の発足は、長年指摘されてきた投資関連窓口の縦割り構造を解消し、BanglaBizによるワンストップ化を目指す大きな制度改革です。14日間でのライセンス発行目標など、実現すれば進出企業の負担軽減につながる内容が含まれています。

一方で、本稿執筆時点は180日間の移行期間の途上にあり、既存登録の引き継ぎや担当窓口の所在など、実務上は個別の確認が欠かせない段階です。バングラデシュでの新規進出・追加投資・経済特区への入居を検討している企業は、申請前に最新の窓口・書式・審査期間を確認することをお勧めします。

今回は「バングラデシュBIDA統合|Invest Bangladesh始動」について解説しました。

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本稿に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【免責事項】

本記事は、バングラデシュに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。また、記事中の数値・情報は本稿執筆時点のものであり、今後変動する可能性があります。

株式会社東京コンサルティングファーム バングラデシュ拠点
安倍 史紘