皆さん、こんにちは!東京コンサルティンググループ バングラデシュ拠点の安倍史紘です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。今回は「バングラデシュ『ビザポリシー2026』施行|日系企業向け新ビザ制度ガイド」について説明いたします。

バングラデシュ政府は、2006年に制定されたビザ規則に代わる新制度「ビザポリシー2026」を導入しました。2026年7月2日に財務大臣を委員長とする内閣委員会にドラフトが提出され、内務省(Ministry of Home Affairs)が事務局を務める形で内容が精査された後、同年8月10日の閣議で承認されています。その後、正式な政府告示を経て、2026年9月に施行されました。

今回の刷新では、これまで個別に発出されてきた多数のビザ関連通達が一本化され、内務省、出入国管理・旅券局(Department of Immigration and Passports)、および在外バングラデシュ公館が一体的に運用する、統一的な現代的ビザ枠組みが構築されています。

制度の目的としては、外国人の入出国手続きの簡素化、外国直接投資および熟練人材の誘致、観光・ホスピタリティ産業の振興、技術・知識移転の促進、国家安全保障と外交上の相互主義(リシプロシティ)の維持が掲げられています。ビザカテゴリーは、公表時点で旧制度の33種類から34種類に拡大されています。

新制度のもとで、日系企業の投資家・出張者・駐在員に特に関係するカテゴリーは次の通りです(いずれも内務省が公表した制度文書に基づきます)。

当初の有効期間は最長1年で、その後最長5年まで延長可能です。さらに、バングラデシュ銀行やBIDA(投資開発庁)等の証明を得た上で500万米ドル以上を投資する場合には、ビザなし入国(No Visa Required)という優遇措置が設けられています。

有効期間は最長1年、1回の入国につき90日間の滞在が可能で、延長により最長2年まで対応します。登録済みのバングラデシュ企業からの招へい状が必要であり、取締役会出席や投資可能性の調査といった目的での利用が想定されている一方、現地での就労(報酬を伴う業務)は禁止されています。

現地で就労する駐在員・専門家が該当します。当初の有効期間は6カ月で、その後はBIDA・BEZA(経済特区庁)・BEPZA(輸出加工区庁)等が発給する労働許可(Work Permit)に基づき延長されます。延長にあたっては、初回延長時にTIN(納税者番号)証明書、2回目以降の延長では所得税納付証明書の提出が必要です。

【主要3カテゴリーの要点】

・PI(投資家):当初最長1年、最長5年まで延長可。500万米ドル以上の投資でビザなし入国の優遇あり
・B(出張):最長1年、1回の入国につき90日間滞在、延長で最長2年。招へい状が必要、就労は不可
・E(就労):当初6カ月、労働許可に基づき延長。初回延長でTIN証明書、2回目以降は所得税納付証明書が必要

新制度では、全カテゴリー共通でパスポートの残存有効期間が最低6カ月必要とされ、ビザの延長申請は有効期限の15日前までに行う必要があります。また、就労系ビザについては、入国後15営業日以内に労働許可の申請を行うことが求められている点に注意が必要です。治安クリアランス(セキュリティクリアランス)の有効期間は5年とされています。

オーバーステイに対する罰則も明確化されており、超過滞在15日目までは1日あたりTk1,000、16日目から90日目までは1日あたりTk2,000、91日目以降は1日あたりTk3,000が科されます(留学生は最長3カ月、人道的事情がある場合は減免措置の対象となり得ます)。

【出張(1カ月以内)は到着ビザ(VoA)の活用を推奨】

就労を伴わない出張・視察目的の渡航には、制度上「B(Business)ビザ」が用意されています。一方で弊社では、滞在期間が1カ月(30日)以内に収まる出張であれば、到着ビザ(Visa on Arrival, VoA)の活用を推奨しています。バングラデシュのVoAは日本国籍者もビジネス・投資目的での利用対象とされており、最長30日間の滞在が可能です。利用にあたっては、招へい機関からの招待状およびBIDA等による認証、往復航空券、渡航目的を示す書類、最低500米ドル相当の現金またはクレジットカードの保有が必要です。
滞在が1カ月を超える見込みの場合や、取締役会出席など継続的な業務目的がある場合には、引き続きBビザでの申請をお勧めします。なお、この点はあくまで現時点における当局の運用傾向を踏まえた弊社の実務上のアドバイスであり、制度上どちらか一方が優先されると定められているわけではない点にご留意ください。

既に現地に駐在員を派遣している、あるいは今後派遣・出張を予定している企業は、渡航目的に応じたビザ選択について、申請の都度、現地の最新運用状況を確認することを強くお勧めします。

よくある質問

Q. バングラデシュのビザポリシー2026はいつから施行されていますか?

A. 2026年7月2日にドラフトが内閣委員会に提出され、8月10日の閣議承認を経て、2026年9月に正式な政府告示により施行されています。

Q. 駐在員として現地で就労する場合、どのビザカテゴリーに該当しますか?

A. 現地で報酬を得て就労する場合は「E(Employment/雇用)ビザ」が該当します。当初の有効期間は6カ月で、その後はBIDA・BEZA・BEPZA等が発給する労働許可に基づき延長します。

Q. 出張でバングラデシュを訪問する場合はどのビザが必要ですか?

A. 制度上は「B(Business)ビザ」が該当しますが、滞在が1カ月(30日)以内であれば到着ビザ(VoA)の利用を弊社では推奨しています。1カ月を超える場合や、取締役会出席等の継続的な業務目的がある場合はBビザの申請をお勧めします。

Q. 大口投資を行う場合、ビザは免除されますか?

A. バングラデシュ銀行やBIDA等の証明を得た上で500万米ドル以上を投資する場合には、ビザなし入国(No Visa Required)の優遇措置があります。

Q. ビザの延長やオーバーステイに関する注意点はありますか?

A. 延長申請は有効期限の15日前までに行う必要があり、就労系ビザは入国後15営業日以内の労働許可申請が必要です。オーバーステイには超過15日目までTk1,000/日、16〜90日目までTk2,000/日、91日目以降Tk3,000/日の罰則があります。

まとめ

「ビザポリシー2026」は、20年近く運用されてきた2006年規則を全面的に刷新し、分散していた通達を一本化した制度です。日系企業にとっては、投資家向けのPIビザ、出張者向けのBビザ、駐在員向けのEビザという3つのカテゴリーの要件を正しく把握し、渡航目的に応じて使い分けることが実務上のポイントとなります。

特に、就労系ビザにおける入国後15営業日以内の労働許可申請、延長時のTIN証明書・所得税納付証明書の提出、オーバーステイ罰則の明確化は、現地の運用に直結する変更点です。派遣・出張の計画段階から、必要書類と申請スケジュールを逆算して準備することをお勧めします。

今回は「バングラデシュ『ビザポリシー2026』施行|日系企業向け新ビザ制度ガイド」について解説しました。

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本記事は、バングラデシュに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。また、記事中の数値・情報は本稿執筆時点のものであり、今後変動する可能性があります。

株式会社東京コンサルティングファーム バングラデシュ拠点
安倍 史紘