ベトナムの投資環境について

 

皆さま、こんにちは!
東京コンサルティングファーム・ハノイ拠点の石川愛美です。
今回はベトナムの投資環境についてご紹介しようと思います。

 

2008年に日本がベトナムに対して行った直接投資は過去最大となりましたが、
そのうちの1件(石油精製所建設プロジェクト)が総投資認可額の80%を占めており、このプロジェクトに巨額な投資が行われていたと考えられます。
2009年に投資金額は大きく減少したものの、2010年から回復が見られ、
2011年以降の直接投資金額の水準は大型の製造業や工業団地のインフラ開発投資が積極的に行われたことにより、リーマンショック前に比べて同じくらいの水準に上がりました。
2014、2015年の日本のベトナム投資認可件数は、2012年、2013年と同水準でありますが、直接投資金額は大幅に減少します。
これは、製造業の投資の中心となるものが、中小規模メインになってきていることと、投資分野において投資金額の増加しやすい製造業だけでなく、国内での消費を対象とした販売業・流通業やIT関連企業等に多岐に広がってきている、ということが考えられます。
2017年には国内消費を対象とした販売業・流通業が引き続き増加していることに加えて、火力発電所等の大型インフラ開発投資の影響により、投資件数と投資金額でともに過去最高を更新しています。
2018年のベトナム経済は非常に好調で、実質GDP成長率は7.08%でした。インフラ整備や産業育成に注力し海外からの投資を積極的に受け入れてきたことが考えられます。

 

既に多くの日本企業がベトナムへ進出している状況ですが、この傾向は現在も続き、日本は昨年の国別の海外直接投資・FDIの認可額においても2年続けて首位という結果になっています。
最新のJETROの調査によると、日系企業の多くがベトナムでの現地事業の拡大を望んでいますが、未だ課題が残っている労務費の高騰や、原材料の調達、品質管理、そして通関等の行政事務手続きが難しいと考えて困惑する企業も多くいらっしゃいます。

 

2003年からは日越両国の政府間合意のもと、ベトナムの産業競争力を高めることを目的としたダイアログ「日越共同イニシアティブ」がスタートしています。これはベトナムの投資環境の改善,外国投資の拡大を目標として、ベトナムに進出する日本企業や各種専門家が連携して行動計画を定め、フェーズ毎に進捗の最終評価を両国で確認するプロジェクトです。
2018年7月より第7フェーズが開始、9つのワーキングチームが組成され、積極的な議論が行われています。今後、二回目の中間評価会合を実施し、2019年末には、第7フェーズの最終評価が出される予定です。
この日越共同イニシアティブを通じてベトナムの投資環境が整備され、日本企業の投資拡大、ベトナムの発展、日越両国の関係強化へと繋がっていくことが期待されます。

 

弊社では海外進出・海外投資のご相談も受け付けておりますので
何かご不明な点、ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。

 

 

東京コンサルティングファーム ハノイ拠点
石川愛美

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