トルコの贅沢品への消費税って?

こんにちは、トルコ駐在員の田中隆道です。

今週は、日本より安倍首相がトルコに訪れ、トルコのエルドアン首相と首都アンカラで会談を行いました。日本のニュースにも出ていましたが、今回の安倍首相とエルドアン首相との首脳会談で、トルコでの原子力発電所の建設(インフラ輸出)の協力につき、合意文書に調印がされました。今後の日本とトルコとの益々の関係強化に期待が持てます。

さて、今回はトルコの「贅沢品への消費税」について、携帯電話を例に見てみたいと思います。

2012年にアップル社から発売された「iPhone 5」ですが、発売当初は予約しても1ヶ月経たないと本体が届かないなど世界各地で大ヒットしました。もちろん、トルコでも多くの人がiPhone 5を買い求め、未だその人気は衰えていません。
しかし、多くのトルコ人がiPhone 5をトルコ以外の国で買おうとしており、私も「日本だったらiPhone 5はいくらで買える?」と多くの知人から尋ねられました。

それは、トルコでのiPhone 5の値段が他国に比べ若干高めに設定されているからです。
トルコでiPhone 5を買おうとすると、私の社宅の近所のショッピングモールでは、最低でも約2000TLになります。1TL=55円(2013年5月6日現在)ですので、日本円にして約11万円です。
携帯電話機種の値段が高い、というのはiPhone 5以外の他の携帯電話機種にも言えます。

トルコで携帯電話の値段が他国に比べて高くなっている理由として、トルコの税制の特徴でもある特別消費税(SCT:Special Consumption Tax)の存在が挙げられます。SCTは主に車、タバコ、アルコールなどの贅沢品の出荷時に課税され、消費者への販売価格に含まれる形になります。これは、物品の販売時にかかる付加価値税(VAT:Value Added Tax)とは異なります。SCTの税率及び納税時期は物品の種類によって定められています。

iPhone 5の場合、「無線回線を使う贅沢品」として25%のSCTが課税されるため、消費者がiPhone 5を手にする時にはSCTを含めた価格となり、販売価格が他国に比べて高くなっています。また、携帯電話以外にも自動車やたばこ、アルコール、香水などにもそれぞれSCTがかかり、例えば乗用車であれば、排気量が2,000cc以上の乗用車なら130%、1,600~2,000ccの乗用車なら80%、1,600cc以上の乗用車なら37%と定められています。

また、最近上司のiPad を使用する機会があり、使いやすさから私も購入しようと思いましたが、トルコ以外の国で買い求めたいと思います。なぜなら、iPadもiPhone 5同様に「無線回線を使う贅沢品」としてSCTの対象となり、他国に比べて値段が高いため、日本への一時帰国の際など機会を見つけ購入しようと考えています。

税務・会計・労務につきまして、少しでも疑問やご質問等がございましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

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