
■借りるなら今のうち?銀行からの貸付金が厳しくなる!?
タイの大手銀行の減益や不良債権の増加の報道が多くされています。タイ国内で資金繰りが悪化する企業が増えており、不良債権が増え、各行の貸倒引当金も増加しています。
銀行の不良債権が増えると、貸付の条件が厳しくなってくる、貸し渋りが出てくる可能性があります。借りるなら今のうち、かもしれませんが、既に条件は厳しくなっているというのが実情かと思います。日本など他国での資金調達なども選択肢として考えておくのが現実的かと思います。
■余剰資金の預け入れはタイでよいか?
一方、余剰資金の預け入れについて考えると、タイの公定歩合は2011年の3.5%から、2016年1月時点では1.5%と減少しています。定期預金の利息も1年の長期金利で2%弱という状況です。日本と比較すれば高い金利ですが、決して高い水準とはいえません。
タイ周辺国には、タイよりも利率が高い国があります。例えば、ラオスではドル建ての1年の長期金利は5-7%であり、バーツ建ても5%前後の水準となっています(2016年1月時点)。周辺国で余剰資金の預け入れをするのも一つの選択肢かと思います。
■公定歩合、金利、不良債権の確認
今後の動向をみるにあたり、公定歩合、金利、不良債権の状況を確認しておくと、資金の借り入れや預け入れの意思決定の際の参考になるのではないでしょうか。
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東京コンサルティングファーム
長澤 直毅
nagasawa.naoki@tokyoconsultinggroup.com