検証、シンガポールから国際送金!

投資環境・経済

国際的金融ハブとして、銀行業も発達しているシンガポール。居住者の4割が外国人という人口分布は、外国人が母国への送金を行う行為を日常的にしています。
シンガポールに拠点を構える企業にとっても、国際送金は日々発生する業務です。

今回は、シンガポール国内の事情を振り返りながら、スムーズかつ経済的な送金手段を検証します。

送金手段のあれこれ

シンガポールでは国内送金には、国内の銀行によるシンガポール銀行協会(The Association of Banks in Singapore)により規定される、以下の手段が存在します;

  • GIRO
  • FAST
  • PayNow

また、特に政府機関(MAS)が提唱した手段として、SGDでのみ、多くの銀行に送金が可能なMEPSという送金手段も存在します。

それぞれ、必要な情報や通知の形式、送金所要時間や手数料などが異なります。

一方、国際送金については、大きく以下の二つに区分されます:

  • 銀行間送金(Wire transfer)
  • 国際送金会社(Money transfer company)

以下、それぞれ見ていきましょう。

銀行間送金の良し悪し

普通にシンガポールで会社登記して、最初にするのが法人銀行口座の開設です。
それができてしまえば、法人用のお金として、出入金は自由に行うことができるようになります。

特に、シンガポール地場のメガバンク、DBS、UOB、OCBCの3行は、どれもデフォルトでオンラインバンキングがついており、スマートフォンからのアクセス、電話問い合わせ対応など、全般的に便利なことで知られています。

その法人銀行口座のオンラインバンキングで簡単にできてしまうのが、銀行による国際送金です。

特別な審査や書面の提出は一切なく、送金先の通貨、銀行名、口座番号、法人名/個人名などを入力すれば、ごく簡単に手続きが完了、翌日には着金が完了してしまうようなシステムになっています。

知らない法人であってもまず間違いなく送金を行うことができると確信できるネットワーク、銀行間送金の強みは、何と言ってもその利便性とサービスの安定性だと言えます。

一方で、銀行送金には、手数料がかかるというデメリットがあります。

手数料に関しても、基本的にはシンガポール地場のメガバンク3行が最も安いのですが、それでもCable Fee(固定費用)がS$20.00、Commission Fee(送金金額により変動する費用)がS$5.00~S$35.00と、一回の送金で数千円程度かかる計算です。

少額の送金が複数あるような場合、累積された手数料はかなりの額になるため、送金者側の大きな負担と言えるでしょう。

送金会社の良し悪し

方や、送金会社のサービスは、その仕組みが一般的に説明されています。

具体的には、シンガポールに本拠地を構える会社の場合、その送金先になる国々でも会社をもって資金を蓄え、送金元からシンガポール国内で受け取った金額相当分を、送金先の国内で国内送金するというやり方で、実際には国際送金を極力実現せずに少額の手数料を実現しています。

最も有名なのが、Transfer Wiseというイギリス発祥の送金会社ですが、それ以外にも各地に様々な送金会社が発足しており、いずれも送金手数料が安く、為替も銀行間レートに近いという点で共通しています。

また、国内送金がシンガポールと送金先の国で行われるだけであるため、比較的早くに送金が完了する点も大きな特徴です。

一方、送金会社の特徴として、もし何らかの事情で送金先が受け取りを拒否したような場合、シンガポール国内で送金会社に送った金額を自社の口座に戻す作業が発生します。

また、こうした複雑さの理由もあって、身分の証明は事前に綿密に行われます。
取引を開始するまでの手続きは、パスポート写真を送ったり、個人情報を入力したりと、かなり時間のかかるものとなっています。

閾値はS$20,000!

最後に、面白い事実をご紹介します。

シンガポールの地場の銀行では、送金額がS$20,000を超えるあたりから、優遇レート(Preferential rate)を使って送金することができるようになるサービスを持っています。

更に、預金額が大きい場合には、送金手数料自体も安くなる傾向があります。

逆に、多くの送金会社では、S$20,000近くの大口の送金になると、Swift Chargeがかかるという特性があります。これにより、またS$20近く費用が増加するため、上記手数料の相場が逆転します。

上記2つの方法について結論を述べるのであれば、シンガポールからの送金は、小口であれば送金会社のサービスを使い、金額が大きいときは銀行送金を使うのがよい、ということができます。

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2019-10-23

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