シンガポールって、どのくらい安全なの?
日本の生活とどこがどう違うの?
シンガポールでの駐在員生活に、どんなリスクがあるの?
いくらメディアが発達しても、現地に暮らす人にしか見えないことはまだまだたくさんあります。
今回はそんな現場の情報を、データと併せてお伝えします。
交通・インフラ
シンガポールは狭い国土(東京都23区程度)に人口が密集していることもあり、車の台数はやや多め。
シンガポール国籍保有者ですら厳しく車の保有が制限されるなど、政府の管理が行き届いており、周辺ASEAN諸国の主要都市と比べると、市内の道路は比較的渋滞が少ないといえます。
車で移動するのも便利ですが、タクシー台数も多く、日本と比べ安価に利用が可能です。近年欧米のUberに競り勝ったGrabを中心としたタクシーアプリが発達し、うまく利用できれば極めてスムーズにピックアップできるようになりました。
ちなみに、車道はイギリスや香港と同じ左側通行で、日本人には安心です。
また、シンガポールでは東京や大阪同様、MRT(Mass Rapid Transit)と呼ばれる地下鉄が発達し、バスとともに労働者の日常通勤の足となっています。こうした公共交通機関だけでも、移動に不自由することはほとんどないでしょう。
なお、総合的公共交通機関情報アプリとしては「My Transport」が有名です。
また、シェア自転車のサービスが非常に普及しており、中国やアメリカのものと違い、どこでにでも放置できることができる点で、驚きの交通手段となっています。
こちらもそれぞれのサービス会社専用アプリをダウンロードして使用することになります。
街中にCCTVと呼ばれる監視カメラが設置されており、ごみのポイ捨てやひったくりが厳しく取り締まられるようになっています。
教育、経済的にも豊かな水準にあり、基本的に夜一人で出歩くことにもほとんど抵抗はないレベルの治安が確保されています。
事故・怪我
自動車は世界最先端のブランドが道を走ります。ハイブリット車も多く、道路近くでも比較的静かなのが特徴です。ただし、信号も多ければ車のスピードもゆったりしたもので、死亡事故の件数は割合としてもそれほど多くないようです。
シンガポール警察(Singapore Police Force)が公表している2017年のデータによれば、シンガポールの交通死亡事故件数は118件(死亡者は122人)で、年々減少傾向にあります。
10万人当たりの死亡率は2.17人で、日本の全国平均3.62人より低い数字です(人口比で最も低い東京は10万人あたり1.20人)。
他方、最近取り締まりが強化されつつあるのがPersonal Mobility Device(PMD)、いわゆる「次世代モビリティー」です。
お弁当配達サービス企業などで一般的に取り入れられていることもあり、毎日高速で車道や歩道を滑走しているPMDを見かけますが、音もなければ神出鬼没、年間200件近い事故が報告されています(2017年)。うち50件以上は歩道における接触事故ということで、歩行者も注意が必要です。
犯罪
治安の良さには定評のあるシンガポール、犯罪に巻き込まれる可能性は周辺国よりも圧倒的に小さいといえますが、一方では日本とは違う考え方で秩序が維持される傾向もあり、思わぬ振る舞いで自分が犯罪者とならないよう注意が必要です。
まず、性犯罪や麻薬犯罪は、厳罰が処せられます。法律の緩い欧米諸国の感覚で育った人が、軽い気持ちで麻薬に手を出すなどすると、死刑も含め、たちまち厳罰に処せられる可能性があるため要注意です。
また、落書き等の禁止やポイ捨て禁止など、公衆衛生に対する強い意識づけが図られており、チューインガムは販売段階から禁止されています。
飲酒可能な場所が多いことを考えると、日本でなら見逃されることの多い、泥酔した際の立ち小便や路上睡眠も厳禁である点には注意が必要です。
また、過去には政府批判などに対する弾圧も加えられており、反政府組織の活動に加担すると犯罪者扱いされてしまう恐れもあります。
病気・感染症
シンガポールは、国を挙げて感染症の撲滅に取り組んでおり、高温多湿な熱帯気候にもかかわらず、世界的に見ても低い感染症発症率、低い乳幼児死亡率、高い平均寿命を誇っています。
人の出入りが多いため、インフルエンザやデング熱、マラリアやジカ熱といった病気が持ち込まれるリスクは高く、それだけに蚊の駆除などが徹底的に行われる傾向にあります。
風俗も病気の検診を強いたうえで合法的に行わせるという政策をとっており、各種性病に対する意識も高いといえます。
通院・入院
インフラが整っているだけに、医療水準もアジアトップクラスのシンガポールですが、その医療費は高額で、保険に入っていないといざというときひどい出費になる恐れがあります。
病院は公立のものと私立のものがあり、私立の病院では個々人の開業医が施設内に部屋を借りて患者を受け入れているようなスタイルになっています。したがって、価格は医師により大幅に異なります。
少し熱を出して診断を受けるだけで5百ドル(4万円程度)するところもあるので、歯痛など、どうしても通院する必要がある場合にも対応できるよう、海外旅行傷害保険などに加入していると安心です。
病院での入院はA(個室)、B(4名までの雑居室)、C(6名までの雑居室)など、人数ごとランクに分けられており、シンガポールの保険ではB~Cまで、またはCだけしか利用できない、というようなものもあります。
英語と中国語が使用されることの多いシンガポールですが、日本語対応のある病院もいくつかあります。いざという時のために、場所や連絡方法を控えておくと安心です。
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