試用期間中の社会保障やその他手当の支払有無

こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、試用期間中の社会保障やその他手当の支払有無について記載致します。

 

質問)
試用期間中であっても、本採用時と同様社会保障の支払義務があるのでしょうか。
またその他基本給以外に支払わなければならない手当等がございましたら教えて下さい。

 

回答)
まず社会保障に関しましては、試用期間中であっても、雇用主である会社は、従業員をIMSS(Instituto Mexicano de Seguro Social:メキシコ社会保険庁)に登録し、保険料を負担する義務がございます。

 

こちらはメキシコ連邦労働法(Ley Federal del Trabajo)第39条に、下記のように記載されており、本採用以前の試用期間中、または、研修期間中であっても、従業員の社会保障権は保証されなければなりません。

また、その期間中の業務に見合った福利厚生等に関しましても、法律上で特定のものは定められておりませんが、付与することが好ましいと言えます。

 

Artículo 39-A. (中略)

Durante el período de prueba el trabajador disfrutará del salario, la garantía de la seguridad social y de las prestaciones de la categoría o puesto que desempeñe. Al término del periodo de prueba, de no acreditar el trabajador que satisface los requisitos y conocimientos necesarios para desarrollar las labores, a juicio del patrón, tomando en cuenta la opinión de la Comisión Mixta de Productividad, Capacitación y Adiestramiento en los términos de esta Ley, así como la naturaleza de la categoría o puesto, se dará por terminada la relación de trabajo, sin responsabilidad para el patrón.

Artículo 39-C. La relación de trabajo con periodo a prueba o de capacitación inicial, se hará constar por escrito garantizando la seguridad social del trabajador; en caso contrario se entenderá que es por tiempo indeterminado, y se garantizarán los derechos de seguridad social del trabajador.

 

従業員のIMSSの登録期限に関して、当該従業員の入社日、もしくは、試用期間開始日から5営業日以内と設定されており、1日でも過ぎてしまうとペナルティが発生するなどの厳しい取り締まりがございます。

特に、製造業の工場労働者のように肉体労働を行う職種であれば、万が一、労働災害が発生した場合等に備え、就業を開始する前に登録手続を済ませておくことを推奨致します。

 

また、試用期間後の対応として、雇用を終了させるか、本採用として雇用を継続させるかの2択となりますが、雇用を終了させた場合は、IMSSの登録解除手続も忘れずに行う必要がございます。

 

 

このように、試用期間の契約を結ぶ際は、期間や手当等を明記した雇用契約書を作成する必要がございます。試用期間としての契約書を作成していないと、無期限雇用と見なされてしまい、原則解雇することが難しくなりますので、こちらは注意をして頂ければと存じます。

弊社ではこのような労働契約書の作成やレビュー、及び従業員のIMSS登録サポートも行っておりますので、気になる点がございましたら是非お問合せ下さいませ。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点

清水皐

 

 

 

 

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