今回はメキシコのインフレ会計についてお話します。
インフレ会計とはインフレーションのときに生じる価格変動に対して行われる企業会計のことです。
メキシコ会計基準におけるインフレ会計の目的は、単一な数値基準を設け、すべての企業が公平にインフレの影響を財務諸表に取り込むことを目的としています。
一方、IFRSにおけるインフレ会計の目的は、提供される財務諸表が利害関係者の意思決定に資する情報となることにあります。
そのため、3年間の累積インフレ率が26%を超過した(ハイパーインフレーション)場合にインフレ会計を適用するメキシコ会計基準に対し、IFRSのインフレ会計にはそのトリガーとなるインフレ率が一律に定められておらず、企業によってさまざまなトリガーのインフレ率が定められることとなります。
インフレ会計を適用する場合には、財務諸表の表示にあたり、一般物価指数(INPC:Indice Nacional de Precios al Consumidor)等のインフレ率を含めた価額により資産を再評価して、再表示することとなります。
また、その際に発生した評価差額については会計上の利益または損失として計上します。なお、当該評価差額については税務上の所得計算には影響しません。
現在は、メキシコのインフレ率は安定して推移していますが、過去には突然変動が起こることもありましたので、インフレ率は常に注意を払っておく必要があります。
以上、お読みいただきありがとうございました。
なお、本記事は2019年8月時点の内容となっております。最新情報やより詳細な情報は弊社サービスのWiki Investmentをご利用頂きたいと思います。Wiki Investmentへの登録は、下記のリンクからお願い致します。